OpenOffice.orgはSun Microsystemsがオープンソースで作成している、誰でも無料で自由に使える製品。フリーソフトとはいえ、非常に高機能で、多少工夫すればそのままMS Officeと置き換えて使ってしまうことだって可能だ。7つのソフトから構成されており、機能的には、「Writer」がWordに、「Calc」がExcelに、「Impress」がPowerPointに相当する。

　最大の特徴は、MS Officeファイルとの互換性が高いこと。メールで送られてきたようなWordやExcelのファイルを閲覧するために使うだけでなく、自由に編集を行い、MS Officeの形式で保存もできる。WordのdocファイルもExcelのxlsファイルもそのまま読み込んで表示して、編集を加えてdocやxls形式のまま保存できるということだ。MS Officeを使い慣れたユーザーなら、そんな当たり前のことはできないとむしろ困ると思うかもしれないが、この当たり前のことをフリーで実現しているソフトは、今のところほかには存在しない。

　それに、市販の互換ソフトであれば、ライセンス上、同時に複数のパソコンに1つのソフトをインストールすることはできない。だが、このOpenOffice.orgなら、インターネットからダウンロードするだけで、いくらでもコピーしてかまわないし何台のパソコンにインストールしてもかまわない。知らないと損をするといっても過言ではないほどおいしいソフトなのだ。

　MS Officeにはいくつかのバージョンがある。最新版はOffice XP（Word2002、Excel2002）だが、OpenOffice.orgの操作感覚はOffice2000（Word2000、Excel2000）に近い。WordとOpenOffice.orgのWriterを比較すると、メインメニューに並ぶ「ファイル」「編集」「表示」「挿入」「書式」「ツール」「ウィンドウ」「ヘルプ」という構成はまったく同じになっている。そこからの各メニュー項目レベルになると位置が微妙に違うが、一般のユーザーであればそれほど違和感なく使えるはずだ。

　また、機能面を見ても、OpenOffice.orgでは多くのMS Office互換の機能が備わっている。例えば、Excelでは数値の入ったセルの右下をドラッグして動かすと連番を作成できるが、Calcでもまったく同じ操作で同じ結果を得られる。このほか、Word文書中にExcelで作ったグラフを埋め込んだファイルを開く場合、WriterではExcelを利用した機能を同じく表計算ソフトのCalcに置き換える。

　両者の違いについても見ておこう。Open Office.orgにあってMS Officeにない機能としては、XMLに対応していることなどがあげられる。OpenOffice.orgの標準保存形式は、整形式のXMLで書かれたデータにZIP圧縮をかけたものになっている。つまり、このファイルをアーカイバなどで解凍すれば、XMLデータとしてそのまま利用できるというわけだ。ZIP圧縮なので解凍時にパスワードも設定できる。

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