「LINEモバイル」が初登場にしてトップレベル――「格安SIM」19サービスの実効速度を比較(ドコモ回線10月編):通信速度定点観測(2/2 ページ)
格安SIMを選ぶうえで料金と並んで重要な「通信速度」。2015年7月から続けている本企画では主要な格安SIMサービスの通信速度を月に1回、横並びで比較する。今回は2016年10月のドコモ回線を使ったサービスの測定結果を紹介しよう。
平日夕方:「FREETEL SIM」が本領発揮 「LINEモバイル」も2位に
夕方の測定を行う18時前後は、横浜駅西口周辺においては一番人でにぎわう時間帯だ。帰宅する人、買い物する人、アフターファイブを楽しむ人など、いろいろな人が集まる。当然、携帯電話のネットワークも混雑するが、ランチタイムよりは通信速度は出る傾向にある。さて、結果はいかに。
下り平均速度の1位は、FREETEL SIMで平均21.17Mbpsとなった。この連載では混雑時に定評のあるFREETEL SIMだが、夕方の測定では唯一の20Mbps超えとなった。
朝・昼と首位を獲得してきたLINEモバイルは、平均14.45Mbpsで2位となった。「全時間帯1位」とはならなかったが、3位のmopera U(平均13Mbps)を抑えていることを考えると、見事なデビューを飾ったといえるだろう。
4位は楽天モバイルの平均5.63Mbps、5位はロケットモバイルの平均3.82Mbpsとなった。そこからわずか0.01Mbps差で6位にWonderlink(LTE F)が付けた。
下り平均速度で1Mbps未満となったのは、3サービス。ワースト1は「DTI SIM」の平均0.39Mbps、ワースト2は「0SIM」の平均0.66Mbps、ワースト3はOCN モバイル ONEの平均0.98Mbpsとなった。
ただし、OCN モバイル ONEの上り平均速度は良好で、上り平均速度トップの「BIGLOBE LTE・3G」(平均14.59Mbps)に続く2位(12.43Mbps)となった。ワースト1は意外なことにmopera Uだが、3.43Mbpsとそれなりの速度は保っている。
計測開始時刻 | 下り平均(Mbps) | 上り平均(Mbps) | |
---|---|---|---|
IIJmio | 18:00 | 2.44 | 10.38 |
OCNモバイルONE | 18:00 | 0.98 | 12.43 |
BIGLOBE LTE・3G | 18:04 | 1.4 | 14.59 |
b-mobile(おかわりSIM) | 18:04 | 1.97 | 10.24 |
LINEモバイル | 18:09 | 14.45 | 8.54 |
楽天モバイル | 18:09 | 5.63 | 7.77 |
NifMo | 18:13 | 1.03 | 6.79 |
FREETEL SIM | 18:13 | 21.17 | 7.56 |
ロケットモバイル | 18:17 | 3.82 | 9.4 |
U-mobile PREMIUM | 18:17 | 1.05 | 6.33 |
DMM mobile | 18:19 | 1.67 | 8.41 |
Wonderlink(LTE I) | 18:22 | 1.69 | 8.41 |
mineo(Dプラン) | 18:22 | 1.04 | 11.13 |
Wonderlink(LTE F) | 18:25 | 3.81 | 6.61 |
0 SIM | 18:25 | 0.66 | 6.01 |
DTI SIM | 18:28 | 0.39 | 10.01 |
イオンモバイル | 18:28 | 2.12 | 6.36 |
エキサイトモバイル | 18:30 | 1.81 | 8.21 |
ドコモ(mopera U) | 18:19 | 13 | 3.43 |
まとめ:いきなりトップレベルの「LINEモバイル」 今後も勢いは続くのか?
10月の測定では、LINEモバイルが圧倒的な速度で素晴らしいデビューを果たした。今回は久しぶりに横浜駅西口周辺で測定したせいか、全体的に速度が上がっている。そんな中でも、ランチタイムに下り平均36Mbpsという速度は“すごい”としか言いようがない。ただ、まだ始まったばかりのサービスなので利用者が少ないから速度が出ているだけかもしれない。今後もこの速度を維持できるのか、非常に気になるところだ。
そんなLINEモバイルの派手さにかすんだもののFREETEL SIMも変わらず安定して速い。こちらはすでに実績もあり、この連載で常に1、2位を争うMVNOサービスだ。今後の展開次第では、LINEモバイルとの首位争いが日常になるかもしれない。
FREETEL SIMほど高速ではないものの、ロケットモバイル、楽天モバイル、Wonderlink(LTE F)あたりは、常に安定してそこそこ実用的な速度を確保しているという観点では安心して使えそうなサービスといえる。
各サービスの傾向をまとめると以下の通り。
- IIJmio……午前と夕方に期待
- OCN モバイル ONE……午前と上りに期待
- BIGLOBE LTE・3G……午前と夕方に期待
- b-mobile(おかわりSIM)……底堅い
- LINEモバイル……常に圧倒的な速度
- 楽天モバイル……常に3Mbps以上
- NifMo……午前と夕方に期待
- FREETEL SIM……常に10Mbps以上
- ロケットモバイル……底堅い
- U-mobile PREMIUM……午前中は圧倒的
- DMM mobile……午前と夕方に期待
- Wonderlink(LTE Iシリーズ)……午前と夕方に期待
- mineo(Dプラン)……午前と夕方に期待
- Wonderlink(LTE Fシリーズ)……常に3Mbps以上
- 0 SIM……下り低調上りに期待
- DTI SIM……下り低調上りに期待
- イオンモバイル……午前中は圧倒的
- エキサイトモバイル……午前と夕方に期待
- ドコモ(mopera U)……常に10Mbps以上
「0SIM」と「DTI SIM」は、下り速度においてあまり期待できない状況が続いている。どちらも過去好調だった時期があっただけに、何とか復活してほしいところである。
また「午前と夕方に期待」としているサービスも、夕方は実用ギリギリの通信速度といった印象で危うさを抱えている。終日安定した速度で使えそうなMVNOサービスは7つほど。それが今後も続くかどうかが見ものである。
今回の測定結果はあくまで参考データの1つとして役立てていただき、他のさまざまな情報も踏まえて、より良いMVNOを選んでほしい。
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