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Qualcomm本社でSnapdragon 845の性能を体感 スマホで「できること」が増えるSnapdragon 845 Benchmarking Workshop(2/2 ページ)

Qualcommのサンディエゴ本社にあるラボの一部が特別に解放された。ここで最新プロセッサ「Snapdragon 845」を活用したデモを体験。845では電力効率がさらに良くなり、AIを活用した機能改善も行われる。

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音声通話の品質をさらに向上させる技術開発も

 地味な変化で気付かない人も多いかもしれないが、最近はスマートフォンでの音声処理技術も大幅に向上している。話題のHi-Fiオーディオだけでなく、普段利用する音声通話などでのクリアな音声など、ノイズ処理技術が格段に向上することで、以前までならノイズの多い環境でまともに通話できなかったものが、より自然な形で通話可能になった。今回のラボツアーでも、時間の半分は音声関連のデモが占めており、それだけQualcommとしても音声技術をアピールしたいことの現れだと考えている。

 今回案内されたラボの一室は同社最大の「無響室(Anechoic Chamber)」だった。通常なら機械などが発するノイズを計測するために利用するが、このラボでは人体模型にマイクロフォンを被せ、その周辺に人工的なノイズ発生装置を仕掛けて、各種ノイズ環境でもクリアな音声通話を可能にするノイズキャンセリング技術の開発に生かしている。

 風洞実験用の装置も同じラボに設置されており、こちらは風の強い場所で発生する風切り音を極力なくしてクリアな通話を行う実験に利用されている。昔は海辺などでまともに携帯通話ができなかった記憶があるが、最近気にしなくなったのも日々の技術進化があるからだろう。

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無響室に設置されたマネキン状の模型
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模型にはマイクロフォンが搭載され、周囲には人工的なノイズ発生装置が設置される。ノイズキャンセル技術のテストを行う
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風洞実験用の装置。人工的に風を起こす、夏場にはありがたい装置だ
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噴出口でノイズを計測する。風切り音を極力減らしてクリアな通話を実現する

 近年ではスマートフォンだけでなく、ホームオーディオの世界でもQualcommの技術は利用されている。例えば欧米で人気の「サウンドバー」は、家庭用テレビに高級オーディオサウンド効果を追加する。日本ではテレビ内蔵型が一般的なため身近ではないが、ここでもQualcommがレファレンスとなる技術を開発しており、各社に提供しているという。

 この他、話題のスマートスピーカーにも同様のレファレンスを提供しており、既にこの技術を採用した製品は多数ある。肝になるのは、家庭での雑多なノイズ、いわゆる生活ノイズにあふれた環境でも、スマートスピーカーのマイクに音声コマンドを届ける技術だ。一般的なスマートスピーカーは話者とデバイスの間の距離が数メートルほど離れている状態で利用されることが多く、マイクが広域の音声を高い感度で拾う必要がある。一方で、これは同時に多数のノイズも拾うことになるため、ノイズの混ざる音から必要な音声を抜き出す技術が重要というわけだ。

Qualcomm
サウンドバーのデモストレーション
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スマートスピーカーの実験ラボ。ソファや簡易キッチンなどがあり、家庭の雰囲気を再現しているという
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Qualcommが提供する6マイク型のスマートスピーカー開発キット

取材協力:クアルコムジャパン

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