SMSやキャリアメールとの違いは? 「+メッセージ」でできること、できないこと(1/2 ページ)
3キャリアが5月9日から提供する「+メッセージ」。SMSの後継となるサービスだが、何ができるのか? フィーチャーフォンや格安SIMでは使えるのか? 今、分かっていることをまとめた。
NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社は、電話番号だけで送受信できるメッセージサービス「+メッセージ」を5月9日から提供する。この+メッセージは、従来のSMSとは何が変わるのか? また「キャリアメール」とはどう使い分ければいいのか? 現時点で分かっていることをまとめた。
+メッセージで送受信できる内容
SMSで送受信できるのは「全角70文字までのテキストや絵文字」のみというシンプルな仕様だったが、+メッセージでは送受信できる文字数が全角2730文字にまで拡張される。他に最大100MBの写真や動画、スタンプ、グループメッセージ、音声メッセージ、現在地の送受信もできる。なお、ベースになっている「RCS(Rich Communication Services)」では「音声IP電話」や「ビデオ通話」も可能だが、+メッセージではこれらは利用できない。
SMSは1通ごとに送信料が掛かるが、+メッセージは送信した容量に応じてデータ通信料が掛かるという違いもある。
アプリは何を使う?
+メッセージは、専用の「+メッセージ」アプリを利用する。Androidの場合、2018年5月以降に発売する端末には+メッセージアプリがプリインストールされるが、それ以前の端末を使っている人は、ドコモでは別途アプリをダウンロードする必要がある。auのAndroid端末は「SMS(Cメール)」アプリを、ソフトバンクのAndroid端末は「SoftBankメール」アプリをバージョンアップすれば+メッセージが使用可能になる。
iOSの場合は、3キャリアともApp Storeから「+メッセージ」アプリを別途ダウンロードする必要がある。
+メッセージでメッセージをやりとりするには、相手も+メッセージアプリをインストールしている必要があるので、ダウンロードが必須のドコモ端末やiPhoneはちょっとハードルが高そう。そこで、+メッセージアプリに「招待機能」を設け、アプリのダウンロードページに遷移するURLのQRコードを表示したり、ダウンロードページのURLを共有したりできる。
アプリの使い勝手はどんな感じ?
SMSは3キャリアごとにアプリもUI(ユーザーインタフェース)もバラバラだったが、+メッセージではこれを統一した。
アプリは「連絡先」と「メッセージ一覧」の2タブで区切られており、ここから人物を指定してメールを送ったり、過去のメッセージを見たりできる。連絡先は既存のアドレス帳に登録しているデータが自動で移行される。+メッセージを利用できる相手には、連絡先一覧の右端に+メッセージのアイコンが現れる。端末が+メッセージに対応していても、アプリをインストールしていないとメッセージの送信はできず、SMSを送る形となる。
画面の右下にある「+」アイコンを押すと、新規メッセージを作成できる。ここで個別に送るか、グループを作成するかを選べる。グループは最大100人が参加できる。グループ宛にメッセージを送ってもデータ通信料は1通分で済む。テキスト入力欄に隣接しているアイコンから、画像、動画、スタンプ、音声、位置情報を送信できる。やりとりしたメッセージはLINEのようにフキダシで表示される。
なお3キャリアとも、(あまり意味はなさそうだが)+メッセージからSMSに切り替えて送信することもできる。ソフトバンクのAndroid端末は、キャリアメールのS!メール(MMS)とSMSをもともと1つのSoftBankメールアプリで運用しているため、+メッセージアプリからS!メールに切り替えることも可能だ。
既読機能もある
相手がメッセージを読んだかどうかが分かる「既読」アイコンも付く。LINEのように「既読」という文字が付くのではなく、フキダシの左下にチェックマークが付き、LINE同様、相手が読んだ時刻も分かる。グループ宛に送信した場合、誰が既読したかどうかを個別にチェックできる。この既読機能は初期状態ではオンになっているが、設定からオフにすることもできる。
スタンプはどんなものが使える?
+メッセージで利用できるスタンプは、アプリから無料でダウンロードでき、まずは500点を提供する。デモ機を確認した限り、かわいいキャラクター系のものが中心のようだ。スタンプは今後も追加していく予定で、有料化も含めたビジネスモデルについては検討中とのこと。スタンプは、+メッセージ用に独自に用意してもらったという。
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