「4Gと5Gは似て非なるもの、全く違う世界が始まる」 ソフトバンク宮川氏が5GやIoTの取り組みを説明:ワイヤレスジャパン 2018(2/2 ページ)
ソフトバンクの宮川潤一CTOが、「5G×IoT発展を促す共創」とのテーマで講演。ソフトバンクの5GやIoTに関する取り組みを説明した。宮川氏は「4Gと5Gは、本当に似て非なるもの」と強調する。
外部パートナーとの“共創”を呼びかけ
5Gになると、超低遅延通信を使って、1台のドライバー付き先導車が、それ以下の無人のクルマを連れて走れるようになる。現在、ソフトバンクが実証実験を行っているが、「一番前のクルマも自動運転化するところまでやりたい」と意気込んだ。
また、遠隔医療、建設機器の監視や制御、リモートコントロールの他、モビリティ環境でのVRを使ったスポーツのリアルタイム観戦や、8K映像などのリッチコンテンツの配信など、エンターテインメントでの活用も見込んでいる。
そういったことを実現するためには、IoT用チップを開発するARMや投資先であるNVIDIAなど、ソフトバンクグループのリソースを活用するだけでなく、他の企業と共創が必要との認識だ。
「IoT用のチップの注文を受けているARMの中では、ある程度、デバイスの数を把握している。兆という単位でモノがつながる時代が、それほど遠からず来ると思う。ソフトバンクだけでは対応できないので、共創していくしかない。5Gはみなさんと共に作り上げていくというのがソフトバンクの出した答え」(宮川氏)
そのためにソフトバンクが用意したのが、5GやIoTのトライアル環境を提供する「5G×IoT Studio」だ。
5G×IoT Studioは、5GやIoTを活用した各種サービスの導入を検討する企業向けに、5G実験機器で技術検証ができる施設。2018年2月から東京の4か所のフィールドでトライアル環境を提供しており、5Gの通信速度や画像配信などが体感できる。
お台場のビル内に5月にオープンした5G×IoT Studio お台場ラボには、5GやIoTを活用したデモンストレーションの展示ブースも設置。実際に5Gの電波を飛ばすシールドルームも用意し、「みなさんが持っているデバイスを5Gにつなぐと、どのくらいのものに変わるかを体感できるようにしている」(宮川氏)。
2020年の5G開始を控え、現状のソフトバンクのさまざまな取り組みを紹介して宮川氏は、「通信は5Gで本当に変わる。IoTが本格的に始まると、今までのわれわれの人生が、少し違って見えるような時代が来ると思う。われわれも精いっぱい努力するが、もしソフトバンクと組んでいいなと思うようなことがあれば、ぜひ声をかけてほしい」と共創を呼びかけた。
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