続々増える「モバイル決済」 どんなものがある?(非接触編)(2/3 ページ)
最近、スマートフォンや携帯電話を使う「モバイル決済」のサービスが急増している。「昔ながら」のおサイフケータイを使うものはもちろん、バーコードやQRコードを使ったものも多い。この記事では、おサイフケータイやNFCを使った「非接触決済」の方法を紹介する。
Google Pay
その名の通りGoogleの電子ウォレットサービスで、2018年2月に「Google Wallet」と「Android Pay」を統合する形でサービスを開始した(参考記事)。
おサイフケータイ対応端末では「楽天Edy」「nanaco」「Suica」「WAON」を使った非接触IC決済に対応する。また2018年夏をめどにKyash、ジャックス、ジェーシービー(とそのグループ企業)が発行するカードを登録することで「QUICPay/QUICPay+」も使えるようになる予定だ。
イメージとしては「Apple PayのAndroid版」ともいえるが、プリペイド非接触決済に対する対応が手厚いことが大きなメリット。ビューカード以外のカードでも年会費無料でSuicaにチャージできることも、Androidユーザーとしては見逃せない。
おサイフケータイ非対応の端末では、残念ながらこれらの非接触IC決済機能は使えないが、バーコード式のポイントカードをまとめて管理する機能や登録したクレジットカード・デビットカード・プリペイドカードを使ったオンライン決済機能は使える。
とりわけ前者は「dポイントカード」「Tポイントカード」「楽天スーパーポイントカード」など主要なポイントカードに対応しているので、財布の中がポイントカードだらけという人にはオススメしたい。
国内における非接触決済対応機種
- おサイフケータイ利用時:Android 5.0以降のおサイフケータイ対応端末
- NFC決済利用時(※1):Android 5.0以降のNFC決済対応端末
(※1)現時点ではGoogle PayのNFC決済に対応する国内カード会社はない
国内における対応非接触決済ブランド
- 楽天Edy(楽天Edy)
- nanaco(セブン・カードサービス)
- WAON(イオンリテール)
- Suica(東日本旅客鉄道)
- QUICPay/QUICPay+(ジェーシービー)(※2)
(※2)2018年夏以降、Google Payに「Kyash」「ジェーシービー」「ジャックス」が発行するカード(一部を除く)を登録することで利用できる予定
アカウントに登録できるクレジット・デビット・プリペイドカード
「Visa」「Mastercard」「JCB」「American Express」「Diners」ブランドの付いた全てのカード(※3)
(※3)おサイフケータイのプリペイド決済に対するオンラインチャージにも利用できるが、制約がもある。詳しくはこの章の末尾にある囲みの文章を参照
利用できる主なチェーン店(一部を除く)
- イオンリテール(イオン、まいばすけっとなど)
- ユニー(アピタ、ピアゴなど)
- イトーヨーカ堂
- セブン−イレブン
- ローソン
- ファミリーマート/サークルK/サンクス
- ミニストップ
- ユニクロ
- セイコーマート
- TSUTAYA(蔦屋家電、蔦屋書店など)
- マクドナルド
- すかいらーく(ガスト、バーミヤンなど)
Google Payで「楽天Edy」「nanaco」「Suica」「WAON」を利用する際の注意点
おサイフケータイ対応端末においてGoogle Payで「楽天Edy」「nanaco」「Suica」「WAON」を利用する場合、以下の点に注意してください。
機種変更について
Google Payで設定したカードを別のAndroid端末に移し変える場合、各サービスの専用アプリをインストールする必要があります。また、移し変えに当たっては各サービスの会員登録も原則として必要です。カードの移し変えはサービスごとに行います。
「Google Pay」と「専用アプリ」の併存
Google Payと各サービスの専用アプリは併存できます。各サービスアプリで作った既存のカードをGoogle Payに登録することもできますし、Google Payで作ったカードを各サービスアプリで扱うこともできます。
ただし、「JMBモバイルWAON」(JALマイルがたまるモバイルWAON)はGoogle Payに追加できません。注意しましょう。
オンラインチャージについて
楽天Edy、Suica、WAONは、Google Pay(Googleアカウント)に登録したクレジットカード・デビットカード・プリペイドカードを使った「オンラインチャージ」が可能です。ただし、楽天EdyとWAONについてはオンラインチャージに制約があります。
- 楽天Edy:楽天Edyが指定する会社が発行するカードでのみチャージできます。ただしチャージに使うカードの事前申請が必要で、原則として申請翌日の12時(正午)以降からオンラインチャージできるようになります
- WAON:イオンカード(イオン銀行が発行するクレジットカード)でのみチャージできます。事前申請は必要ありません。
nanacoについてはnanacoアプリ経由でオンラインチャージできます。ただし、セブン・カードサービスが指定する会社が発行するカードでのみ利用可能で、登録の24時間後からオンラインチャージ可能となります。
各サービスともに、オンラインでポイントチャージする場合は専用アプリが必要となります。
「Suica」について
Google Payの「Suica」は年会費無料かつ会員登録なしで利用できます。
ただし先述の機種変更やポイントチャージの他、以下の機能を使いたい場合はモバイルSuicaアプリを使って「EASYモバイルSuica会員」(年会費無料)または「モバイルSuica会員」(年会費1030円:ビューカード会員は当面無料)になる必要があります(太字はEASY会員不可)。
- 銀行口座からのチャージ
- 定期券の購入
- Suicaグリーン券の購入
- モバイルSuica特急券の購入
- 「エクスプレス予約」の利用(特定のクレジットカードのみ)
- Suicaポケットの受け取り(JRE POINTのポイントチャージを含む)
- Suica残高からのネット決済
- 紛失・盗難時の再発行
- 利用しなくなったときのチャージ払い戻し(退会)
関連記事
- “おサイフケータイ”を初めて使う人にオススメ 「Google Pay」のメリットを解説
「Google Pay」は、楽天Edy、nanaco、Suica、WAONの電子マネーサービスを一括で管理できる。現在はGoogle Payで支払うと電子マネーが当たるキャンペーンも実施している。そんなGoogle Payを使うメリットを解説する。 - 「LINE Pay」がQUICPayに対応、コード決済の手数料を3年間「0%」の施策も
2018年秋から、「LINE Pay」が「QUICPay」に対応する。店舗がコード決済を導入しやすくするための施策も発表。レジ機能とコミュニケーション機能を搭載した「LINE Pay 店舗用」アプリを6月28日から提供する。 - 口座引き落としで支払い みずほ銀行が“スマホデビット決済”を2018年春に開始
みずほ銀行が2018年春に「スマートデビット」を開始する。銀行口座から代金を引き落とし、スマホをかざすだけで支払える。支払いは「QUICPay+」を利用する。 - 国内対応した「Apple Pay」 早速使ってみた感想と気になる点
iOS 10.1がリリースされ、ついに国内でも「Apple Pay」が使えるようになった。早速使用感と気になる点を見ていこう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.