「3D Touch」非対応のiPhone XR 代わりに搭載された「Haptic Touch」でできること
iPhone XRでは、以前のiPhoneでは利用できた「3D Touch」が省かれた。実は「3D Touchでできることが全てできなくなった」わけではない。iPhone XRには「Haptic Touch」という機能が採用されており、3D Touchで実現する一部の機能が利用できる。
「iPhone XR」でさりげなく省かれている機能が「3D Touch」だ。3D Touchは、ユーザーが画面を押し込むことによって、さまざまな操作を可能にする機能。例えばホーム画面のアプリアイコンを押し込んでショートカット操作一覧を呼び出したり、URLを押し込んでページをプレビュー、さらに押し込んでアクセスしたりできる。これらの操作は、ディスプレイに組み込まれたセンサーが指の圧力を検知することで実現している。
この3D Touchは、「iPhone SE」を除く「iPhone 6s」以降のiPhoneが対応している。iPhone XRで突然3D Touchがなくなった理由は定かではないが、実は「3D Touchでできることが全てできなくなった」わけではない。iPhone XRには「Haptic Touch」という機能が採用されており、3D Touchで実現する一部の操作を利用できる。
例えば、3D Touch対応機では、ロック画面に表示される「カメラ」と「フラッシュライト」アイコンを押し込むと、それぞれの機能を起動できる。一方、iPhone XRでもロック画面からアイコンを押し込んでカメラとフラッシュライトを起動できる。
もう1つ、iOS純正キーボードでのカーソル移動が、Haptic Touchでも行える。3D Touchと同様に、スペースキーを押しながら指を動かすと、一緒にカーソルも移動するので、入力したテキストを編集する際に便利だ。
Haptic Touchでは、3D Touchと同様に、押し込んだ後にフィードバック(軽い振動)が来るので、正しく操作できたのかが分かる。
では、3D TouchとHaptic Touchは何が違うのか? 3D Touchでは軽く押し込む「Peek」と、強く押し込む「Pop」という2つの操作法を使い分けられるのが特徴。例えばURLのプレビューはPeekで、そこからアクセスはPopという具合だ。これは3D Touch対応iPhoneのディスプレイが内蔵しているセンサーが、どれぐらい画面が押し込まれたかの幅を検知できるため。一方、iPhone XRのセンサーは一定量の圧力しか検知できないため、「軽い押し込み」と「強い押し込み」を識別することはできない。
ちなみに、iPhone XRではホーム画面でアイコンを押し込んでショートカットを出す操作もできなくなっている。これは「長押し」と「押し込む」操作を区別できないからだろう。3D Touchなら、長押しでアプリの削除ボタン(×)の表示、押し込みでショートカットの表示ができる。
3D Touchでは、「設定」→「一般」→「アクセシビリティ」→「3D Touch」から3D Touchをオン/オフにしたり、感度を3段階で調整したりできるが、Haptic Touchではそのような設定もできない。これも圧力の幅を検知できないためだろう。
iPhone XRでは3D Touchの多くの機能を使えなくなったが、「ロック画面のショートカット」と「文字入力のカーソル移動」は、Appleが特に使う機能だと判断したのだろう。ただ、PeekとPopの検知はできなくとも、URLや通知のプレビューなど、一定量の圧力で使える機能を追加することはできるはず。Haptic Touchで使える機能の追加にも期待したい。
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