「頂点のユーザーをがっちりつかむのが目標」 ソニーモバイルに聞く「Xperia 1」:MWC19 Barcelona(2/2 ページ)
ソニーモバイルがMWC19 Barcelonaで発表した新Xperiaは、製品名も含めて従来機から大きく手を加えた。今回の新モデルはどのような戦略で開発したのか。ソニーモバイルのブースにて、同社商品企画部門 部門長の田嶋知一氏に話を聞いた。
本体デザインは一枚板に、パープルも復活
―― Xperia XZ3のデザイン言語は「Ambient Flow」だったが、Xperia 1のデザインコンセプトは?
田嶋氏 今回はデザインランゲージの名前は付けていない。そのような技巧には走らず、21:9のシネマワイド体験をハードウェアに入れたら、1枚の板になった。
―― Xperia 1の本体カラーに「パープル」が復活した理由は?
田嶋氏 いろいろな議論があった。いかようにも解釈してほしい。1から生まれ変わったことで、初心に帰ったともいえる。「パープルが原点」と思ってくださるXperiaファンの声は大きかったと感じている。
―― これまでシングルカメラにこだわっていたが、Xperia 1でトリプルカメラを採用した理由は?
―― 田嶋氏 コンテンツを作るとき、レンズを取り換えて画角を変えることでクリエイティビティを引き出せる。レンズが3つ付いた、レンズ交換式のカメラを付けようとなったとき、何の抵抗もなくなった。クリエイティビティを刺激し、良いコンテンツを作るための3眼、という位置付けだ。「Cinema Pro」のLook機能を使えば日常を映画のように撮れるので、ぜひ体験してみてほしい。
―― 指紋センサーが背面から再び側面に戻っている。生体認証についての考え方は?
田嶋氏 21:9のシネマワイド体験を考えると、どこに指紋センサーを付けてもコンテンツの体験を邪魔してしまう恐れがあり、ベストなポジションに戻した。
生体認証の技術の進化は追いかけているが、アンロック程度のことであれば指紋認証がベストだと考えている。
ミッドレンジは検討中、5G対応はユースケースとセットで
―― 折りたたみスマホは?
田嶋氏 技術として関心はあるが、同じことはやらない。どういうコンテンツを楽しむのか。地図や雑誌なら、当社の得意とするところではない。ただ、折りたたむことで大きなものを小さく持ち運ぶメリットはある。
―― 分離プランに備えて、ミッドレンジのXperia 10や10 Plusを日本に投入する予定は?
田嶋氏 具体的な商品名は、パートナーもいるので言えないが、ミッドレンジの需要があることは分かっており、ミッドレンジの商品を日本市場に導入することは検討している。ユーザーのターゲットをしっかり決め、他ではできないユニークな付加価値を付けた上で、ミッドレンジでも商品を展開していく。
―― ソニーモバイルとして、オープン市場への参入は?
田嶋氏 内部検討中で、コメントはできない。どこで買っていただくかは大事なポイントだと思っており、勉強している。
―― MWC19ではミリ波の5Gに対応したプロトタイプを展示した。5G対応スマホの計画は?
田嶋氏 発表できることはないが、ミリ波は難しく、アンテナ技術を磨き込んでいる。ハードウェアを出すだけなら組み上げればできるが、どう使っていただけるか。ミュージック、スポーツ、制作といった例を発表会では挙げたが、ユースケースが固まったところで世に出したい。
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