実験で利用された無線技術DSRCについて、説明しておこう。これはETCや今回の実験のためだけに造られたものではなく、ITSサービス(詳細は後述)に広く活用することを目的として開発されたもの。5.8GHz帯の電波を利用する。
今回のDSRCによる通信では、1台の基地局で最大4Mbpsまでの通信を行うことができる仕様となっている。そこを4チャンネルに分けて同時に4台のクルマがネットに接続できるようにしてある。ちなみに、基地局のカバー範囲は最大30メートルなので、たとえば渋滞が起きると、4台以上のクルマが接続する場面も考えられる。その場合は「先着優先で5台目以降は接続できない」(KDDI技術開発本部ITS開発部インターネットITSグループ課長補佐・三宅貴雄氏)そうだ。ただ、4台までというのは、今回の実験における仕様で、本格サービス時には接続可能台数を増やすことも可能だという。
アンテナ DSRC基地局に接続されたアンテナ。このシステムが実用化されると、照明灯などに設置されて直径30メートルのエリアをカバーする“ホットスポット”を作り出す
実験中の車載端末の画面。旅行予約の画面が表示されている
DSRC路側無線機 実験ではこのポールが50メートル間隔で設置されて、この下をクルマが走り抜けるようになっていた。一般道に設置する場合は、電信柱を使うことになる!?