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ネットランナー 2002年7月号 2002年6月11日(火)

難攻不落のハッカー撃退マニュアル

常に進化し続けるウイルスに感染すると
情報漏洩の危険性もあるぞ

 インターネットを利用している上で、一番の脅威はウイルスだ。昔のウイルスは、不審なファイルをダウンロードしてきて実行しないと感染しなかった。通常の利用方法では、ウイルスに感染する危険性はほとんどなかったといえる。

 ところが、最近のウイルスはメールを媒介に感染してくる。初めて社会的に問題になった「MELLISA」は、アウトルックのアドレス帳に登録してあるメールアドレスに対して無差別にウイルス自身を送信する。MELLISAの登場以降、メールを媒介に感染するウイルスが主流となっている。

 その後、「MTX」のように、添付するウイルスのファイル名にバリエーションを持たせることで、ウイルスでないかのようにカモフラージュするタイプが増加する。「MAGISTR」はハードディスク内のファイル名を流用しており、「FBOUND」は件名が日本語に対応している。

 さらに、「KLEZ」は、送信者名を偽ることで、だれが感染しているか分からなくする。また、送信先のアドレスをハードディスク内のテキストファイルやHTMLファイルから拾うため、ウイルスが広範囲に拡散するようになった。件名や本文のバリエーションも相当多い。史上最悪の感染率には、ちゃんと理由があるのだ。

自動で感染するタイプが登場

 昨年登場した「NIMDA」は、その後のウイルスのタイプを大きく変えることになった。IEのセキュリティホールを悪用することで、アウトルックエクスプレスでメールをプレビューしただけで感染するようになったのだ。不審な添付ファイルを開かなければ感染しないという、それまでの常識が変わったのだ。

 プレビューだけで感染することは「ダイレクトアクション活動」と呼ばれ、その後に登場した「BADTRANS.B」や「ALEZ」などでも使われている。最新のウイルス「KLEZ」も利用している。

 ダイレクトアクションは、IEの修正プログラムを導入していれば動作しない。だが、感染者が多いことから修正プログラムを導入していないユーザーの多さが分かる。セキュリティ対策が甘いのだ。

深刻化するウイルス被害

 その一方で、ウイルス感染の被害の性格も変わってきている。少し前までは、被害が軽微なものの場合、ウイルスを他人にバラまくだけ。深刻な場合は、ウインドウズが破壊され大切なデータを消されてしまうというものだった。

 だが、「SIRCAM」の場合、マイドキュメントフォルダ内のファイルを無差別に添付するため、プライバシーが漏れる心配がある。さらに、「BADTRANS.B」はキー入力のログを作成し、ウイルス作者のメールアドレスに送信するようになっていた。

 このように、ウイルスは常に進化し続け、広範囲に広まるような仕掛けをどんどん盛り込んでおり、情報を盗むタイプも増えている。今後も、セキュリティホールや人の盲点を突いたウイルスが次々と登場し、ネットを混乱させることだろう。

図
  1. MELLISA以前は、ファイルを媒介にして感染していた。だが、MELLISAはアドレス帳に登録されたメールアドレスに対して、無差別にウイルス自身を添付してメールで送りつけるウイルスだ。MELLISA以降に登場するウイルスは、メールを自動的に送信することで感染範囲を広げていくタイプが主流となった
  2. SIRCAMは、メールをバラまくときに、マイドキュメントフォルダにあるファイルを無差別に添付する。そのため、プライバシー漏洩という、それまでのウイルスにはなかった新たな被害が生まれることとなった
  3. NIMDA以前は、メールに添付されたファイルを実行しない限り感染することはなかった。だがNIMDAはセキュリティホールを悪用することで、アウトルックエクスプレスでプレビューしただけで感染する(ダイレクトアクション活動という)。また、ウェブを経由しての感染など幅広い感染ルートを持っている。NIMDA以降は、ダイレクトアクション活動が主流となる
  4. BADTRANS.Bに感染すると、キー入力のログが作成され、ウイルスが指定したメールアドレスに送られてしまう。パスワードなどの情報が漏れてしまう危険性があった
  5. KLEZは、ハードディスク内のテキストファイルやHTMLファイル、IEのキャッシュを検索してメールアドレスを探し、自分自身を送信するため、ウイルスの配布先が多くなる。また、送信者のアドレスを偽るため、感染者の発見が遅れる傾向にある。件名や本文はランダムに作成され、バリエーションが多い
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