News | 2000年11月21日 06:58 PM 更新 |
インテルは11月21日,国内でPentium 4プロセッサを発表した。クロック周波数は1.4GHzと1.5GHzの2種類を用意する。Pentium 4は,1995年に発表された「P6」以来の新アーキテクチャとなる「NetBurst」を採用。高クロック周波数を実現する「ハイパー・パイプライン・テクノロジー」や144個の新命令を追加した「ストリーミングSIMD拡張命令2」など,多くの特徴を持つ。チップセットは,Intel 850を基盤とし,メモリにはRDRAMを実装する。
NetBurstの特徴 |
Pentium IIIプロセッサの2倍となる20ステージのパイプラインを実装し,高クロック周波数を実現。2001年第3四半期には2GHz版が登場する見込み |
システムバスは,Pentium IIIプロセッサの3倍となる400MHzのバンド幅を持つ。データ転送レートは3.2Gバイト/秒を誇る |
従来のストリーミングSIMD拡張命令に144個の新命令を追加した「ストリーミングSIMD拡張命令2」を装備。MPEG2エンコード/デコードや暗号化,3Dグラフィック表示などの処理能力が向上 |
整数演算処理をコア周波数の2倍の速度で実行可能 |
デコード済みの命令をキャッシュし,レイテンシを低減することが可能 |
また,インテルは,2001年第4四半期より現行の0.18μメートルプロセスから0.13μメートルプロセスへの移行を開始する計画で,「数GHzのプロセッサも製造できるようになる」(同社)としている(11月13日の記事参照)。
発表会で行われたPentium 4のデモンストレーションでは,NetBurstの性能が十二分に発揮されるリアルタイムMPEG2エンコーディングや,ライティングといった3Dエフェクトの処理を行い,「Pentium III/1B MHzと比較して,Pentium 4は2倍近い性能向上を実現した」(インテルのJohn Anton社長)と強調した。
|
インテルのJohn Anton社長 |
「以前,AOLを舞台にした映画“You've Got Mail”が大ヒットしたが,今や“You've Got Picture”に変わりつつある。そして,Pentium 4は,間もなくやって来る“You've Got Video”時代のプロセッサだ。2001年末には,普及価格帯モデルの50%はPentium 4搭載モデルになるだろう」(同社長)
ただ,高度なマルチメディア機能を必要としないオフィスワークにおいては,Pentium III/1GHzとの速度差は10%未満にとどまるとも言われており(昨日の記事参照),既存システムからの買い換え需要としては当初,一部のハイエンド指向のユーザーにとどまりそうだ。
プロセッサの価格は,「非常にアグレッシブ。Pentium III/866MHzと同等」(Anton社長)と言うように,1000個ロット時で,1.4GHz版が7万940円,1.5GHz版が9万210円に設定されている。ただ,DV編集の愛好家やPCゲーマーなど,Pentium 4搭載マシンの潜在顧客にとって,実際に気になるのは搭載システムの価格だろう。
同日,参考出展も含め,20社のPCメーカーがPentium 4搭載マシンを発表しているが,プロサイドは,128Mバイトのメモリ,20.4GバイトHDD,最大48倍速CD-ROM,Millenium G200という仕様のPentium 4/1.4GHz搭載機を,19万9800円という低価格で提供する。ただ,エプソンダイレクトの「Endeavor」のように,ハイスペックのマルチメディアモデルだと,相場は35万円前後と高価になる。
関連記事
Intel,Petnium 4をリリース
Intel,Pentium 4“大衆化”計画を前倒し
Intel,Pentium 4搭載の新コンセプトPCを公開
Intel,「RDRAM見切り」報道を否定
2GHz超へと向かうPentium 4,「スピードはすべて」か?
AMD,Athlonを大幅値下げ――IntelはPentium 4で対抗へ
Pentium 4,最大の敵は発熱
Intel,IDFで2GHzのPentium 4をデモ
Pentium 4のSDRAM対応で,Rambusは窮地に立たされたか
関連リンク
インテル
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.