海外ハイテク株の魅力を再考するITmediaの“Money”的歩き方 その2

米ハイテク株は一時、どん底まで落ちてしまった。しかし2004年に入ってから確実に持ち直している。値動きの激しい米国株は、円高が進む状況でも十分魅力的。ITmediaの海外ニュースとMS Money/MSNマネーを使って、面白い銘柄を探し出してみよう。

» 2004年12月09日 00時00分 公開
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 かつてITバブルという時代があった。IT業界の株式はIPO(株式公開)すれば、軒並み株価が跳ね上がり、億万長者が続々誕生した。だが、その大半はまだ“アイディア”=当時の言い方で言えば「ビジネスモデル」を過剰に評価したものであり、その“化けの皮”がはがれると同時に、バブルもはじけとんだ。

 2000年前後のことだ。以来、IT系ハイテク株は証券市場で見捨てられ、バイオ株やナノテク株が代わってハイテク株の表舞台に躍り出た。バブル崩壊後の1-2年は、本当に焼け野原とでも呼びたい惨状で、二度と立ち上がれないとも思えたほどだった。例えば米国株の場合、バブル崩壊でドットコム銘柄の場合、かなりの数が証券市場から退出し、残った銘柄も最高値に比べて98〜99%の下落と紙くず同然になった。MicrosoftやIntelといった優良株でさえ、株価が4分の一程度になったのだ。

 だが、今、廃墟からの復興が徐々にだが始まっている。本当に強い企業や、ITバブルの生き残り組は、2004年に入ったあたりから、徐々にだが株価が持ち直しているのだ。

 例えばMSNマネーで米国株の動向を見てみよう。主要な指数比で過去3カ月の米Microsoft株の値動きを見てみると、日米の主要指数を完全にアウトパフォームしているのが分かる。11月15日に配当/分配金の権利落ちでいったん下げているが、また上昇基調に入っている(なお、今回はMS MoneyからMSNマネーを見る形をとっているが、もちろん、ブラウザでMSNマネーに直接行っても同様の情報が得られる)。

過去3カ月の米Microsoft株の値動き

 ちなみにMS Money/MSNマネーは、情報の提供が日本中心と思われているフシがあるが、実際はそうではない。米国をはじめとする海外株の分析もいろいろとできる。ティッカーシンボル(日本の証券コードに当たる)が分からなくても大丈夫だ(MS Money体験版のダウンロードはこちら)。

 やり方も簡単で、[投資と運用]−[株価]で株価検索の画面を表示させ、ここで「コードの検索」を選択する。すると次のような画面が表示される。

株価の検索画面

 米国株ならここで国を「米国」と選択、ティッカーシンボル(Microsoftの場合、MSFT)が分かればそれを入力する。すると日本株と同じような、その企業の株価や基本情報が表示される。一方、ティッカーシンボルが分からない場合、ダイレクトに社名を入力してしまえば良い。フルの社名が分からない場合、一部でもかまわない。これで候補が表示される。

Microsoftと入れ、検索してみた
株価の基本情報
アナリストの予想。Microsoftの場合、平均が「やや強気」だった。

 厳密に比較したわけではないが、「銘柄研究」など一部の項目を除けば、MSNマネーでは日本企業の株式とほぼ同じレベルの情報が得られる。アナリストたちのレーティングでは、同社は「やや強気」だった。また、一株益の予想は2004年10-12月四半期の平均予想が平均で32セント。これは前年度の34セントと比べて5.23%減になる。

 もっともこうしたところで重要になるのは、アナリスト予想との乖離のほうだ。2004年4-6月四半期はアナリスト予想と実績はまったく一緒。一方、7-9月は0.2セント上回っている。若干予想を上回ったわけであり、米証券市場にとっては良い意味での「サプライズ」になる。当然、これは株価の上昇要因になる。

海外企業のさまざまなニュースから、海外株を買う

 ただ、これはいつもいつもそうだというわけではない。市場環境が非常に好転していたり、事前に「業績はアナリスト予想よりもっと良さそう」といった噂や期待感があった場合、業績としてはよかったのに、「失望」という評価が下される可能性もあるからだ。また会社が予想した今後の業績見通しなども、当然ながら株価に影響を与える要因になる。

 こういった情報はMSNマネーの「銘柄ニュース」(英文)でも得られるし、企業規模が大きければ[投資と運用]−[ニュース]から「ロイターの海外企業決算・業績関連のニュース」などの項目で、日本語で読むこともできる。ただ、こうした市場系のニュースは文章も短いし、比較的短いスパンの情報を扱っている。

 その点、ITmediaのニュースであれば、海外(特に米国)企業の決算の詳しい情報を見たり、じっくりと成長する銘柄を選ぶため、その企業の事業戦略や環境、取り扱っている市場の成長性などに関する記事を探し出すことができる。

 ちなみにITmediaのニュースでは、海外企業の社名は基本的に欧文表記になっている。Microsoftなら「Microsoft」である。日本法人は「マイクロソフト」とカタカナ表記にして区別している(製品レビューなどではカタカナ表記)。「Microsoft」と「決算」で「ニュース」チャンネルを検索すると、このような検索結果が表示される。Microsoftの直近の四半期決算記事は「MS、サーバ製品好調で収益拡大 (Fri, 22 Oct 2004 19:47:16)」とあり、また、Microsoftの決算について触れている記事(比較される企業の記事などを含め)が検索リスト上に表示されている。

 また、ライセンス期間の都合上、表示期間は制限されるが、ロイターの記事(30日間)やダウジョーンズ(ウォールストリート・ジャーナル含む、90日間)などの翻訳記事も掲載されており、決算関連の重要な記事はロイターの記事のフル翻訳で載せられることも多い。

 一方、銘柄選びでは、特に決算に絞ってない動向記事がお勧めだ。これは定常的にニュースを見るか、あるいは検索を使って興味のある記事を色々読んでいくと、“ネタ”にありつける。例えば「携帯衛星ラジオはiPodを超える?」(ロイター)という記事を読んでいくと、米国で携帯衛星ラジオが人気で、予想外の成長を遂げていることが分かる。主な企業は、XM Satellite RadioとSirius Satellite Radioだ。

 では株価はどうなのか。ティッカーシンボルは当然分からないから、MSNマネーで「XM Satellite Radio」と入れてしまおう。すると1社しかないので、基本情報がダイレクトに表示される(シンボルがXSMRであることも分かる。ティッカーシンボルはさまざまな時に役立つので控えておこう)。過去3カ月の値動きをチャートで表示させると、NYダウや日経平均などをはるかに上回るパフォーマンスで株価が上昇していることが見て取れる(黒線がXM Satellite Radio)。

XM Satellite Radioの基本情報
XM Satellite Radioの過去3カ月のチャート。上の黒線がXM Satellite Radioの株価

 ちなみにライバル会社のSirius Satellite Radioはどうか。ティッカーシンボルはSIRIなので、チャートの右上にある検索対象−追加の部分に「US:SIRI」と入れてみる。すると新たに紫色の線が追加。業界2位のSirius Satellite RadioがXM Satellite Radioを上回るパフォーマンスで価格上昇していることが分かる。(実はITmediaでは1年以上も前の2003年4月に、米国での衛星携帯ラジオが面白くなっていることをレポートする記事を掲載しており、その時どちらかの株を買っておけば……、という話でもある)。

 SiriusはXMに比べて株価が出遅れており、52週の安値は2.01ドル。手軽に買える安さだった。それが直近の高値6.95ドルと3倍以上に跳ね上がったのである。では同社株は今後も好調に上昇していくのか――このあたりは基本情報や財務情報、アナリスト予想、それにITmediaの記事などを見て、読者自身に判断していただきたい部分である。

XMのチャートに、比較対象としてSatellite Radio(紫色の線)を加えてみた。同社の株価が急上昇していることが分かる
Satellite Radioの財務情報。売上は急速に伸びており、一株損も急減している

 米国株は一株から購入可能で、流動性も高く、また値幅制限がないなど、ある程度のリスクを取れる投資家であれば、日本株以上に面白い市場である。むしろ為替リスクなどもあるので、ある程度値動きのある銘柄でないと、投資妙味がないともいえる。

 ITmediaの海外記事を丹念に読んでいくと、こうした“原石”のような銘柄に出くわすことも少なくない。IT市場の新規な事業や小さな市場の意外な成長振りは、IT専門情報ニュースとして取り上げられるケースが多いからだ(無論、期待に沿えず、散っていく企業も多いことは銘記しておく必要があるが……)。

 またITバブルで株価がはじけてしまった企業の中で、どうにか生き残って「リアルな業績」をあげはじめた企業が、1ドル以下のジャンク株(あるいは数ペニーになってしまったいわゆるペニーストック)から、復活しつつあることも付け加えたい。米国株は低位株でもそれなりの流動性はあるから、ニューヨーク証券市場(NYSE)やNASDAQから転落して、本当の意味での店頭取扱株(OTC)にまで落ちてしまわなければ、反騰する可能性は十分ある。

 そういった企業(銘柄)や市場の情報をITmediaで渉猟し、これはと思ったら、MSNマネーであれこれとその企業の情報をリサーチし、チャートで検討してみる。これもITmediaの一つの歩き方である。

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企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia ニュース編集部/掲載内容有効期限:2004年12月31日