離れた場所でも顔を見ながらやり取りできる――そんなメリットからさまざまな企業で使われてきた「遠隔会議システム」。しかし今、そんな遠隔会議の活用シーンが大きく広がっているのをご存じだろうか。
その一例が、都内のある食品加工会社の取り組みだ。鹿児島県・奄美諸島沖でマグロ養殖を営む同社は従来、東京の担当者がわざわざ現地に行って育成状況を確認していた。こうした手間を省くべく、あるときiPadとWeb会議システムを組み合わせて導入。都内のスタッフが遠く離れたマグロの様子をオフィス内で確認できるようになったという。
このほか、英会話教室が遠隔会議システムを用いて「遠隔レッスンコース」を開講したり、医療従事者が自宅にいる患者向けに健康相談サービスを提供するなど、ここ数年で新たな活用例が次々と登場。高性能なモバイル端末の普及により、遠隔会議はもはや企業の会議室だけで使われるものではなくなっている。
だが、そんな遠隔会議システムの利用拡大を妨げている“障壁”もある。企業の会議室などで広く使われている「ビデオ会議システム」と、PCやモバイル端末で気軽に利用できる「Web会議システム」の間に互換性がなく、ツールをまたいでコミュニケーションすることができなかったのだ。
「2つのシステムはそれぞれ映像配信の形式などが異なるため、連携させるためには複数の専用機器を導入する必要があります。そのコストは数百万円規模に上ることもあり、ニーズがあるのに諦める企業も少なくありませんでした」とシスコシステムズの谷内健治さんは話す。
異なるシステム間の壁を越え、もっと便利な遠隔会議を実現する方法はないか――こうした狙いでシスコシステムズが今年3月に提供を始めたのが「Cisco Collaboration Meeting Rooms Cloud」(以下、Cisco CMR Cloud)である。
Cisco CMR Cloudは、ビデオ会議とWeb会議、電話会議といった異なる遠隔会議システムを連携させるクラウドサービスだ。
各システムの相互接続に必要なサーバやMCU(Multipoint Control Unit:多地点接続装置)などの機能をクラウド型で提供することで、企業は高価な初期費用を支払うことなく柔軟な遠隔会議環境を実現できる。Web会議サービス「Cisco WebEx」のオプションサービスとして提供され、価格は1ライセンス当たり月額1万円程度(参考価格)となっている。
最大のメリットは、本来なら「ビデオ会議専用」である端末からでもWeb会議に参加できることだろう。つまり、社内のメンバーは会議室内の専用端末からミーティングに参加し、社外で働いているメンバーはPCやスマートフォンから参加する――といった使い方ができる。もちろん、参加者全員でPC画面やプレゼン資料を共有しながら会議することも可能だ。
使い方はいたってシンプルだ。WebExでスケジュール設定を行うと、「WebEx経由」「ビデオ会議端末経由」それぞれのアクセス先が記載された案内メールが参加者に送信され、指定のアドレスに接続するだけで会議に参加できる。ライセンスを持っていないユーザーも「ゲスト」として招待できるため、社外メンバーも簡単に参加できるようになっている。1つのライセンスでビデオ会議端末から最大25拠点、WebExから最大1000拠点と、合計1025拠点まで接続できるのも魅力だ。
さらに特徴的なのが、シスコシステムズ製品だけでなく他社のビデオ会議端末もサポートしている点だ。ビデオ対応のIP電話機のほか、接続先をURIで指定できるH.323準拠のビデオ会議端末なら全ての端末で利用できる。また今後、クライアント側のソフトもWebExだけでなく、マイクロソフトの「Lync」といった他社ソフトでの参加にも対応する予定という。
「シスコのもとには何年も前から、既存の遠隔会議システムと他のツールを連携させたいという要望が寄せられていました。お客さま自身で高価なハードウェアを用意することなく月額料金で利用できるCisco CMR Cloudは、そうしたニーズに応える“現実解”と言えるでしょう」(谷内さん)
一方、ビデオ会議とWeb会議を接続するツールは他社製のものも数少ないながら存在する。谷内さんによれば、そうした他社製ツールに対するCisco CMR Cloudの優位点は「サポート力の高さ」と「サービス品質」だという。
「シスコは『電話会議』『Web会議』『ビデオ会議』のシステムと端末を全て提供している唯一のITベンダーです。そこで蓄積してきた経験とノウハウをもとに、顧客ごとに異なる環境や要望に応じて最適なサポートを提供できます」と谷内さんは自信をみせる。
人手によるサポートだけでなく、サービス提供環境にもこだわっている。サービス基盤であるデータセンターは日本を含む世界7カ所に配置し、それぞれを専用線で接続。ネットワークに万一何かあった際も障害箇所を迂回することで、サービス停止や映像遅延などのトラブルを未然に回避できるようになっている。
さらに24時間・365日体制でシステム運用監視を行っているほか、暗号化通信による情報漏えい対策も実施。「これほど高いサービスレベルを実現しているのはシスコ以外にないと自負しています」(谷内さん)
遠隔会議を実現する上では「個人向けツールでもいいのでは」と考える向きもあるかもしれないが、個人向けの無料ツールは稼働率を保証していない場合が多く、使用中に映像の遅延が生じたりノイズが混じるケースもしばしばある。「Cisco CMR Cloudはビジネス利用を前提に、満たすべき全ての要件を高いレベルでクリアしている点で、無料ツールとは一線を画しています」と谷内さんは話す。
サービス開始から間もないにも関わらず、Cisco CMR Cloudにはすでに多くの企業から引き合いが寄せられているという。それらの業種や業態、企業規模はさまざま。用途はグローバル拠点でのオンライン会議、学習塾の授業中継、企業内での社員トレーニング向け映像配信――など多岐にわたるという。
谷内さん自身も、Cisco CMR Cloudを使って仕事と育児を両立させているユーザーの1人だ。「当社もグローバル企業なので、各拠点と遠隔会議する機会がたくさんあります。社内にいる時は専用端末から参加しますが、子どもを幼稚園に送迎するタイミングと重なった時などは、自宅や外出先でiPadから参加するようにしています」
このほか、時差がある海外拠点と早朝会議を行ったり、顧客のもとに向かう途中に社内スタッフとリモートで打ち合わせをしたりと、Cisco CMR Cloudは谷内さんの仕事シーンにすっかり溶け込んでいるそうだ。「遠隔会議を行うのが自然になりすぎて、もはやツールの存在すら意識しなくなっています」(谷内さん)
相手との距離や互いのシステム環境を気にすることなく、いつでもどこでも“自然”につながって仕事をする――Cisco CMR Cloudは、そんな新時代の働き方を実現するための救世主になるかもしれない。
Cisco CMR Cloudは30日間の無料お試しプランを用意しています。「遠隔会議に興味はあるが、使い勝手に満足できるか不安」という方も、ぜひお気軽にお試しください。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ニュース編集部/掲載内容有効期限:2015年6月7日