JASRACの徴収「保留せず」答申に、音楽教室側は「大変残念」 行政指導求める
日本音楽著作権協会(JASRAC)が音楽教室から著作物使用料を徴収する方針を打ち出し、音楽教室などが作る団体「音楽教育を守る会」が徴収の保留を求めている件で、文化庁の諮問機関である文化審議会は3月5日、保留を行わないとの答申を出した。音楽教育を守る会は6日、「徴収の是非について踏み込んだ判断がなかった点で大変残念」とコメントを発表した。
答申に沿って文化庁長官が最終的に裁定するとみられるが、守る会は長官に対し「不完全な使用料規定によって徴収するというような不正義を許さないよう、行政指導することを求めます」としている。
守る会は2017年12月、徴収の保留を求めて文化庁に裁定を申請。裁定手続きが始まり、JASRACは18年1月に開始予定だった徴収を一時保留にしていた。また守る会は17年6月、JASRACの徴収権限がないことを確認する訴訟を東京地裁に提起している。
守る会の発表によれば、文化審議会が5日付で出した答申は、JASRACが提出した使用料規定を裁定日付で有効とする一方、司法判断が確定するまで利用許諾契約手続きの督促などを行わないことを期待する――としている。
だが守る会は「(JASRACが音楽教室側と)具体的な徴収内容について協議を行っていない不完全な使用料規定で徴収を始めるのは不正義」と非難する。
著作権法では、著作物を公衆に聞かせるために演奏する権利「演奏権」を、作詞・作曲者が占有すると定めている。JASRACは、音楽教室が「公衆に演奏の場を提供している」とし、著作権料徴収の根拠としたが、守る会は(1)音楽教室のレッスンにおける演奏権はどの部分に当たるか、(2)レッスンでその演奏が占める割合はどれほどか、(3)レッスンではパブリックドメインやJASRAC非管理の楽曲も多いが、その割合はどれほどか――などを事業者ごとに明らかにしなければ、一律的な使用料規定を制定することはできないという。
守る会は、現在進行中の裁判の結果、JASRACに徴収権限があると確定した場合、あらためて規定を成立させるべきと主張。一方で権限がないと確定した場合は、音楽教室側がJASRACに対し、いったん徴収された使用料を返還請求するケースが考えられるが、守る会は「使用料を払った事業者にとっても、既に分配された音楽出版社や作家にとっても実務上実現することは極めて困難」とも指摘している。
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