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「知のアクセスポイントに」 書籍や論文を横断検索、「国会図書館サーチ」
全国の図書館の蔵書や論文などを横断検索できる「国立国会図書館サーチ」が試験公開。ユーザーからの声を聞いて機能を改善していく。
国立国会図書館は8月17日、全国の図書館の蔵書や論文などを横断検索できる「国立国会図書館サーチ」の「開発版」を試験公開した。ユーザーからの声を聞いて機能を改善し、2012年1月の正式公開を目指す。
キーワードやフレーズを入力すると、国会図書館や、全国の公立図書館の蔵書、論文検索「CiNii」、各大学図書館が所蔵する電子資料など、34のデータベースから収集した約5500万件の書誌情報を検索。全文電子化されたデータなら、全文検索も可能だ。
検索結果をグルーピングしたり、英語や中国語から日本語に翻訳して検索したり、関連キーワードや所蔵館、資料の種別から絞り込み検索することが可能。検索結果をTwitterに投稿したり、検索結果一覧をRSS配信するといった機能も備えた。
市町村立図書館の所蔵検索は、「カーリル」のシステムを利用。検索結果に表示された書籍が近くの図書館にないか調べられる。Amazonなどオンライン書店やGoogleブック検索で調べる機能もある。
検索やメタデータのダウンロードに対応したAPIも公開。外部サービスと連携させられる。
「国内の各機関が持つ豊富な『知』を活用してもらうためのアクセスポイントを目指した」という。今後、実用化が検証された新技術を積極的に採用するなどし、機能を強化していく。
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