AppleもQualcommを提訴、Qualcommは「根拠なし」と反論
Appleが、米連邦取引委員会(FTC)に続いてQualcommを提訴した。Qualcommが不当な特許ライセンス料を請求し、Appleに支払うべき約10億ドルの報奨金を保留したとして、10億ドルの賠償金を求めている。Qualcommは公式に反論した。
米Appleは1月20日(現地時間)、米Qualcommをカリフォルニア州南部地区地裁に提訴した。米CNBCによると、Appleは、Qualcommが不当な特許ライセンス料を請求し、Appleに支払うべき10億ドルの報奨金を保留したと主張し、10億ドルの賠償金を求めているという。
これに先立つ17日、米連邦取引委員会(FTC)が特許ライセンスをめぐり独禁法に違反した疑いがあるとして、Qualcommを提訴している。この訴状により、QualcommがAppleに対し、同社のベースバンドプロセッサだけを採用することを条件に、2011年から2016年まで報奨金を支払っていたことが明らかになっている。
AppleはCNBCなどに送った声明文で、Qualcommは「他の通信特許保有者の少なくとも5倍のライセンス料を請求」したという。また、「AppleがQualcommを捜査する司法当局に誠実に協力したことへの報復として約10億ドルの支払いを保留した」としている。「数年間この問題について話し合ったが、残念ながら提訴するしかないという結論に達した」。
Qualcommはこれを受けて21日、「Appleの主張には根拠がない」という公式声明を発表した。同社の法務顧問、ドン(ドナルド)・ローゼンバーグ氏は「Appleは、韓国公正取引委員会(KFTC)やFTCによる提訴に反映されるような規制当局からわれわれへの攻撃に、事実と異なる情報を提供することで積極的に加担している」とし、法廷ですべてが明らかになると語った。
ローゼンバーグ氏は元Appleの法務顧問。2007年にQualcomm入りした。Appleの前は米IBMで上級副社長兼顧問弁護士を務め、知的財産、独禁法などに関する問題に詳しいこの道40年のベテランだ。
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