Lenovoグループに入った後も“独自路線”――富士通PC事業の「現在」「これから」(2/2 ページ)
富士通のPC事業を担う「富士通クライアントコンピューティング」。2018年度第2四半期中にLenovoグループ入りする予定の同社だが、今まで培ってきた技術、製造拠点と顧客基盤をベースに“独自路線”を貫く方針だ。
個人向けPCは「ふくまろ」推し 法人向けPCは「働き方改革」支援
FCCLの個人向けPCの新製品では、独自開発のAIアシスタント「いつもアシスト ふくまろ」(以下「ふくまろ」)に対応している。
ふくまろは、「パソコンを使って何ができる?」ということを出発点に富士通の人工知能「Zinrai(ジンライ)」を活用して開発された。
その目標は「PCが家族の一員になること」だ。現時点では「コンテンツ再生」「見守り」「家電操作」「会話」にのみ対応するが、今後のアップデートで「パーソナライズ」「感情認識」といった機能にも対応する予定となっている。法人用途での活用も検討しているという。
一方、法人向けPCの新製品は、働き方改革の一環で「時間や場所にとらわれない働き方」が求められている昨今の状況を踏まえて、セキュリティを強化したモバイルノートPCやタブレットを中心に紹介。富士通の秘密分散ソフト「Portshutter Premium Attachecase」と、企業での「LIFEBOOK U937」シリーズの導入事例も合わせて紹介された。
Lenovoグループに入っても“独自路線”
冒頭でも述べた通り、FCCLは2018年度第2四半期にLenovoグループの一員となる。このことで「変わる点と変わらない点を教えてほしい」と記者に問われた齋藤社長は、Lenovoとは事業環境の大幅な変化がない限り、FCCLが独自のポートフォリオ(資産)と顧客基盤を持って事業運営していくことで合意している旨を説明した。
資本構成の変更後も、当面の間は独自路線を維持するFCCL。その前提条件を変えるような「事業環境の大幅な変化」が今後起こるかどうかが、同社の将来の姿を決めそうだ。
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