新iPhoneは「XI」か「11」か ローマ数字はやめた方がいい理由:ITはみ出しコラム
「iPhone X」以降、iPhoneの命名ルールが揺らいでいます。新型iPhoneのモデル名はどうなるのでしょうか? これまでのiPhoneのモデル名を振り返りつつ、今後の展開を考えてみました。
米Appleの毎年恒例、秋の新製品発表会(Apple Special Event)が9月10日の火曜日(日本時間では水曜日の午前2時から)に開催されます。
そこで発表される2019年の新型「iPhone」について、いつものようにいろんな予想が飛び交っています。iPhoneの背面カメラが増えて見た目がカッコ悪くなるとか、カラバリが増えるとか。日本で根強い「iPhone SE」復活説とか(これは2020年か)。
顔認証(Face ID)が嫌いな知人は、「一番心配なのはホームボタン(Touch ID)付きの最後のモデル、iPhone 8がディスコンになること」と言っていました。Androidで増えつつあるディスプレイ内指紋センサーをAppleが採用するかも、といううわさもありますが、まだ先のことのようなので、それまではホームボタン付きのモデルを使い続けたいそうです。
iPhoneのラインアップの話をしていたら、2017年発売の「iPhone X」のせいで、各モデルの位置付けが混乱してしまったので、Appleのサポートページを参考に、これまでのiPhoneのモデルを整理してみました。
Appleは2007年の初代から、毎年iPhoneの新モデルを出しています。モデル名は、2010年の「iPhone 4」からしばらくは、数字だけの年と数字に「s」がつく年が交互になり、2014年からハイエンドモデル「Plus」が追加されました。
毎年9月にイベントを開催して新モデルを発表するパターンになったのは2012年から。ただし、2016年3月に変則的に「iPhone SE」(Special Edition)が登場しました。2013年のメインモデル、「iPhone 5s」とほとんど見分けがつかず、「iPhone 5c」以来のお手頃iPhone的な位置付けでした。
混乱の元である「iPhone X」は、「iPhone 8」と同時に2017年9月に発表されました。
メインモデルに位置付けられるiPhone 8の上位モデルとしては「iPhone 8 Plus」も出ましたが、iPhone Xはそれよりもさらに上位の“プレミアムモデル”です。それまで採用してきた指紋センサーではなく、顔認証を採用したので、区別を付けたくてアラビア数字ではなく、ローマ数字で、しかもIX(9)を飛ばしてX(10)にしたようです。
この時点でずいぶん、「次のメインモデルの名前はどうするんだろうねー」という話が出ました。「iPhone 9」ではXより後退する感じがするので、9は飛ばして「iPhone 10s」かな、など。
結局、2018年のメインモデルは「iPhone XS」になりました。でも、上位モデルが「iPhone XS Plus」になるかと思いきや、「iPhone XS Max」に。上位モデルは「Plus」という歴史が幕を閉じました。さらに、お手頃モデルとしては三代目に当たる「iPhone XR」も登場しています。
数字と「s」付き数字が交互に来るモデル名のルールは踏襲されましたが、「S」が何げなく小文字ではなく大文字になってます。恐らく、「XR」にそろえたんでしょう。AppleのWebサイトでは、iPhone XRのRとiPhone XSのSが小さく表示されていたり、四角で囲まれていたりしますが、正式な表記は大文字です。
そんなわけで、2019年のiPhoneラインアップは、シンプルに考えれば、ローマ数字での表記を引き継いで、「iPhone XI Max」「iPhone XI」「iPhone XIR」になります。
でも、今回でローマ数字はやめ、さらにiPhoneに「Pro」が付くというウワサも。以下の3モデルになるとの予測もあります。
- iPhone 11 Pro Max
- iPhone 11 Pro
- iPhone 11
この場合、最上位モデルに「Max」が付いているので、「iPhone 11」がメインではなく、これがiPhone XRの後継になり、メインは「iPhone 11 Pro」ということになるんでしょう。
いつもジョーク交じりに製品名称について説明してくれるクレイグ・フェデリギさんの言い訳を聞きたいところです。
ローマ数字をやめるのは賢明です。もしこのままiPhoneがずーっと毎年出るとしたら、例えば「iPhone 18」は「iPhone XVIII」に、「iPhone 88」は「iPhone LXXXVIII」になっちゃいます。
もっとも、「iPad」や「MacBook」のように数字を完全に排除する可能性もあります。
少なくとも2019年モデルの正式名称は、もうすぐ明らかになります。日本時間で9月11日午前2時からのライブストリーミングが楽しみです。
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