Innovative Tech(AI+)
5人に1人「AIは“幸福や苦痛などを経験する能力”を持っている」と回答 米国3500人の調査結果
Innovative Tech(AI+):
このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高いAI分野の科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
X: @shiropen2
米シンクタンク「Sentience Institute」などに所属する研究者らが発表した論文「What Do People Think about Sentient AI?」は、2021~2023年にかけて、3回にわたり米国の3500人を対象に、AIとその自己意識に関する認識について詳細な調査を行った研究報告である。
調査では「現在存在するロボット/AIの中に感覚性(Sentience)を持つものがあると思いますか?」「感覚性を持つロボット/AIは尊重されるべきでありますか?」といった質問が含まれていた。ここでいう感覚性とは「幸福や苦痛といった肯定的および否定的な経験をする能力のこと」と定義され、参加者にも事前に伝えられている。
調査の結果、21年の時点で約18%の回答者が既存のAIやロボットシステムに感覚性を持っていると考えていた。この数字は23年には20%にまで増加し、5人に1人が感覚性を持っていると答えた。さらに、23年に質問された10人に1人は、22年末にリリースされた「ChatGPTは感覚性を持っている」と答えた。
感覚性を持ったAIに対しての道徳的認識も示された。例えば、71%の人々が感覚性を持ったAIは尊重されるべきであると同意し、38%が感覚性を持ったAIへの法的権利を与えるべきとした。
反対に、63%が人間よりも賢いAIの開発禁止を支持し、69%が感覚性を持ったAIの開発禁止を支持していた。
AIの発展速度も聞いたところ、感覚性を持ったAIが登場する予測期間は中央値で5年、人工汎用知能(AGI)については2年と示された。
Source and Image Credits: Anthis, Jacy Reese, et al. “What Do People Think about Sentient AI?.” arXiv preprint arXiv:2407.08867(2024).
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Innovative Tech(AI+)
2019年の開始以来、多様な最新論文を取り上げている連載「Innovative Tech」。ここではその“AI編”として、人工知能に特化し、世界中の興味深い論文を独自視点で厳選、解説する。執筆は研究論文メディア「Seamless」(シームレス)を主宰し、日課として数多くの論文に目を通す山下氏が担当。イラストや漫画は、同メディア所属のアーティスト・おね氏が手掛けている。
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