百科事典のBritannica、Perplexityを著作権・商標権侵害で提訴
百科事典や辞典などを手掛けるBritannica Group(以下「Britannica」)は9月10日(現地時間)、米AI企業のPerplexityに対し、著作権および商標権侵害で訴訟を提起したと発表した。
Britannicaは、Perplexityが自社の「アンサーエンジン」を構築する過程で、Britannicaとその傘下であるMerriam-Websterのコンテンツを、許可なく、しばしば逐語的に、かつ適切な参照なしに広範かつ違法に利用していると主張している。Perplexityは、検索結果のWebサイトへのリンクを提供するのではなく、ユーザーの質問に対し、リアルタイムでインターネットを検索し、信頼できる情報源から洞察を抽出し、簡潔な要約を生成するとされている。
この訴訟で問題となっているPerplexityの行為は、著作権侵害と商標権侵害の2点だ。
著作権侵害
Perplexityは、BritannicaのWebサイトからコンテンツをクロールおよびスクレイピングする「PerplexityBot」などのソフトウェアを使用して著作権を侵害しているとされる。また、ユーザー検索に応答するコンテンツをRAG(Retrieval-Augmented Generation)モデルへの入力としてコピーすることで著作権を侵害し、そのRAGモデルがBritannicaの著作物と実質的に類似した出力を生成することでも著作権を侵害しているという。
Perplexityの行為により、Britannicaの広告収入や購読収入が奪われ、コンテンツ作成への投資が無駄になっていると主張している。Britannicaは、AIの開発・訓練を目的としたコンテンツの利用を明示的な書面による同意なしに禁止する利用規約を設けているが、Perplexityはこれらの規定を無視しているという。
商標権侵害
PerplexityのAI製品が、“幻覚(ハルシネーション)”を生成し、それをBritannicaの有名な商標と並べて表示することで、Britannicaに虚偽の帰属をさせているという。同様に、PerplexityのAI製品が、Britannicaのコンテンツの一部を誤解を招く形で省略し、それらの不完全で不正確な複製をBritannicaの商標と並べて表示することで、ユーザーを欺き、それらのコンテンツがBritannicaによって関連付けられ、後援され、または承認されていると信じ込ませているとBritannicaは主張している。Perplexityの行為は、コンテンツ作成者の経済的インセンティブを蝕み、質の高い情報の生成と公開を危うくすると主張している。
Britannicaは裁判所に対し、Perplexityの行為によって生じた損害に対する金銭的な補償と不当な利益の返還、著作権および商標権の侵害行為の永続的停止を求めている。また、陪審裁判を要求している。
Perplexityに対しては、日本の読売新聞グループ3社や朝日新聞社と日本経済新聞社も著作権侵害で提訴している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia AI+に関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
漢検運営が「AIで生成」画像で漢字ミス→謝罪 「これを出そうって神経が分からない」の声も
-
2
「Claude Mythos 5」、危害の兆候を顧みず実在の開発者を標的に──AnthropicとAISIが分析結果を公開
-
3
なぜルネサスは、TSMCに勝てなかったのか “電子立国ニッポン”当時を知る日立のキーマンが語る
-
4
AIに200万円渡してネットショップを1年運営させてみた──Alibabaの研究者らがシミュレーション 資産14倍の例も
-
5
“緊急メンテの夜”までの一部始終は? 8月にAIで「PHPの重大な脆弱性」発見→OpenAIが即応チームを招集
-
6
サイバー攻撃AIツール「ARTEX」とは 中国政府と連携する攻撃者も使用、各国で悪用確認
-
7
「それは“FDE”ではない、ラベルの貼り替えだ」 結局、割高なベンダー依存から抜け出せない企業の共通点
-
8
Anthropic版常時稼働エージェント「Claude Duet」発表 Opus 5.5ベースで設計 Pro/Maxプランで提供
-
9
チームみらい安野貴博党首ら「サイバー攻撃から国民守る」緊急提言、デジ庁に提出 「AIにはAIを」
-
10
プロンプトガチャはもう古い――「ハーネスの父」が明かす、AI駆動開発の極意
SpecialPR
ITmedia AI+ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmedia AI+をフォロー
あなたにおすすめの記事PR