メルカリの生成AI活用が丸わかり? 執行役員の資料が無料公開 広告の制作工数が3分の1になった事例も
メルカリ、生成AIの活用事例に関する資料「生成AIによるプロダクトと生産性向上の舞台裏」を無料公開した。同社の執行役員で、生成AI/LLM分野をリードする石川佑樹さんが作成・公開した資料。
メルカリは4月17日、生成AIの活用事例に関する資料「生成AIによるプロダクトと生産性向上の舞台裏」を無料公開した。同社の執行役員で、生成AI/LLM活用を主導する石川佑樹さんが作成・公開したもの。全47ページにわたって、生成AIを使った効率化やその成果について解説している。
メルカリでは2023年5月に生成AI/LLM分野の専任チームを発足。10月には、利用者向けAIアシスタント機能「メルカリAIアシスト」の提供を始めるなど、積極的に事業に生成AIを取り入れる姿勢を見せている。資料ではAI専任チームの活動やそこで得た気付きを紹介している。
例えば、動画の屋外広告で生成AIを活用した事例で制作工数の削減に成功するなど、成果のあった活用法を紹介。生成AIを取り入れたプロダクトを顧客向けに提供する場合は、コストやレイテンシ、AIがもっともらしいうそをつく現象「ハルシネーション」のコントロールの難しさに向き合う必要があるとしている。
他にもAI専任チームでは、社内での生成AIに関するガイドラインの発足や勉強会の主催、メルカリ社員専用のChatGPTを作るなどの活動をしてきたという。そのおかげか、社内の生成AIサービスの利用率は増加傾向にあり、社内向けChatGPTの利用率は1年230%増えたとしている。
今回の資料は、エンジニア向けの転職サービスを手掛けるファインディ(東京都品川区)主催のイベント「先達エンジニアに学ぶ 思考の現在地 Online Conference」にて、石川さんが使用したもの。石川さんは自身のXにて「生成AIを使ったプロダクト作りや生産性向上にチャレンジしてる方に少しでも参考になれば幸いです」とコメントしている。
関連記事
- 「ポケモンカード、こうしたら売れやすくなるよ」などを提案 メルカリ、AIアシスタント実装へ
メルカリは、フリマサービス「メルカリ」上でAIアシスタント機能「メルカリAIアシスト」の提供を始めた。出品済みの商品をAIが分析し、出品者に対してより売れやすくなるような改善策を提案する。 - ITエンジニアは“たけのこ派”が多い──転職サイトが483人に調査 「Crackerはダメです」などの声
世界一“実務の役にたたない”調査レポート──エンジニア向けの転職サービス「Findy」を運営するファインディは、そう題した“エンジニアの嗜好”に関する調査結果を発表した。「きのこ派orたけのこ派」「イヌ派orネコ派」など好みを聞いた。 - 漫画制作での生成AI活用の現状とは? 漫画家「うめ」さん作成の100ページ超の資料が無料公開中
経済産業研究所は「漫画制作における生成AI活用の現状:2024春」の資料を無料公開した。2人組漫画家「うめ」のシナリオ・演出担当の小沢高広さんが作成。商業漫画において、生成AIを活用しているという小沢さんの知見を全103ページの資料で紹介している。 - 早速出たぞ、24年度研修資料 新卒向け「エンジニア基礎」、ウィルゲートが公開 “プロ意識”を解説
コンテンツマーケティング事業などを手掛けるウィルゲートは、新入社員向け研修資料「エンジニア基礎」を公開した。「エンジニアが持つべきプロ意識とは?」など、基本の心構えなどを全218ページに渡って解説している。 - 画像素材サイト「PIXTA」、既存の写真・イラストを“生成AIの学習用素材”として販売 拒否には要申請
画像素材サイト「PIXTA」などを運営するピクスタは、PIXTAの画像素材を生成AIの学習用素材として販売すると発表した。指定したフォームから問い合わせすれば除外できるが、しない場合は事前説明などなく生成AIの学習用素材として提供される可能性がある。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.