「コロプラは画像生成AIを導入します」公表の背景は 同社の意図と実用のいま、CIOに聞いた(4/4 ページ)
コロプラはどんな判断で画像生成AI導入の公表に至ったのか。そして同社による画像生成AI活用の現状とは。菅井健太CIOに直接疑問を投げかけたところ、「ゲーム作り×画像生成AI」の可能性が見えてきた。
動画や3D……さらなるAI活用加速の可能性は
──画像生成AIを手掛ける企業が数ある中、なぜStability AIと協力を?
菅井さん:さまざまな国での活用事例や、政府との法的なやりとりも多く、最前線の知見を持っていると判断しました。守るべきルールは守った上で、どうすればクリエイターによりクリエイティブな使い方をしてもらえるか、何を加速すれば世の中により良いものが出せるかを期待して、Stability AIと協力するに至りました。
──一連のノウハウを外販したり、グループ企業に展開したりといった展望は
菅井さん:ガイドラインなどはすでにグループ会社にも展開していますが、われわれとしてもまだ研究段階ですので、それ以上のことはありません。
──ちなみに、ChatGPTやAIによるコーディング支援など、画像生成AI以外の生成AIはすでに活用しているのでしょうか
菅井さん:はい。エンジニアからは「使えないのはあり得ない」という声もあり、(画像生成AIに)先行して使っています。こちらは結構明確に効率化の指標を定めて使っていますね。
──今後、ゲーム作りにおいてこんな用途でも生成AIを活用したいというアイデアはありますか?
菅井さん:アイデアはいくらでもあります。例えば、正面からのキャラクターイラストを描いた後に三面図のアイデアを出してもらうとか、頑張って作ったものに対してバリエーションやボリュームを出してもらうなどの期待はできるかなと。
われわれは広告事業者ではありませんが、広告とかにも使えるのでは? とも考えています。まだ着手はできていないのですが。
あとは、まだまだ実用はできませんが3Dモデルなどの生成AIにも期待しています。新しいものが出たら触りはするんですが、細かいところが出なかったり。ただ、1年でここまで進化するのかと思うこともあるので、ウォッチし続けた方がいいとは思っています。動画も同様ですね。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
野田クリスタル&「もじぴったん」生みの親に聞く“ゲーム作りと生成AI” クリエイターとしてどう向き合う?
野田クリスタルさんとパズルゲーム「ことばのパズル もじぴったん」の生みの親である面白法人カヤックの後藤裕之さんに、生成AIへの向き合い方について聞く。
プレイヤーの言葉を理解し、協力プレイもできるゲームキャラを生み出す技術 「PUBG」開発会社が導入へ
ゲームプレイヤーと音声で会話し、指示通りに動いてくれたり、自分の状況やこれから行うことを報告したりするNPC(non-playable characters)を生成AIで実現する──バトルロイヤルシューティングゲーム「PUBG」開発元である韓国KRAFTONが、こんな技術を自社のゲームに導入すると発表した。
社内AIチャットが「ウマ娘」のスぺちゃん口調──Cygamesの生成AI活用法 「AIには“プランB”を学習させるべき」
Cygamesは、技術カンファレンス「Cygames Tech Conference 2024」を開催し、基調講演で同社における生成AI活用の現状と展望を示した。
“AIキャラクターによるゲーム実況”の裏側 バンダイナムコ研究所が解説 AI生成コンテンツの“5つの落とし穴”とは
バンダイナムコ研究所は、ゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC 2024」に登壇し、AI生成コンテンツの利用例について解説した。AIを活用したゲーム実況配信とゲーム内テキスト生成の2つの領域を主に紹介した。
AIアニメスタートアップが1.1億円調達、アニメスタジオを子会社化
AIを活用したアニメーション制作を手掛けるスタートアップCreator's Xが1億1000万円を調達したと発表した。これに伴い、アニメ「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」のCGデザインを手掛けたアニメ・デザイン会社K&Kデザイン(名古屋市)の完全子会社化も発表した。
