ニュース
ディープフェイクを見破る「電子透かし」技術 東大発AIスタートアップ開発 改ざんを高精度に検知
東大発のAIスタートアップ・TDAI Labは、ディープフェイク画像の改ざん箇所を特定できる「電子透かし」技術を開発した。
東大発のAIスタートアップ・TDAI Lab(東京都中央区)は1月22日、ディープフェイク画像の改ざん箇所を特定できる「電子透かし」技術を開発したと発表した。改ざん内容の確認に加え、コンテンツの信頼性を保ったまま情報共有をする際などにも役立つという。
電子透かしは、デジタルデータに“人間の目には見えない印”として、そのデータの来歴情報などを埋め込む技術。従来の電子透かしには、データのトリミングやリサイズによって埋め込んだ情報が失われるという課題があったが、TDAI Labではこの課題を克服し、ディープフェイクなどの高度な改ざんにも対応する電子透かし技術を開発した。
この電子透かしが付いた画像に対してディープフェイクが行われた場合、攻撃によって電子透かしが剥がれた箇所から、受けた攻撃の内容を特定。改ざん位置を検出し、可視化できるという。
TDAI Labでは、開発した電子透かし技術のα版をニュースメディアや公的機関を中心に提供開始。実運用に向けて検証を始めるとしている。
TDAI Labは、東京大学大学院教授鳥海不二夫研究室(工学系研究科システム創成学専攻)発のAIベンチャー。2016年に創業し、企業向けにAIシステムの開発・提供などを手掛けている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
話題の中華LLM「DeepSeek R1」は、天安門事件を説明できるか あれこれ質問した
AIユーザー・開発者たちの話題をさらった大規模言語モデル(LLM)「DeepSeek-R1」。開発元が中国企業ということもあり、答える内容の偏りなどを懸念する声も多い。筆者も実際に試したが、環境によっては確かに回答が得られない質問が存在した。
カプコンがゲーム作りに画像生成AI活用 Googleの「Imagen2」などで数十万件のアイデア出し効率化
カプコンが、ゲーム開発における画像生成AIの活用を進めている。米Googleの「Imagen 2」などを活用したシステムを開発し、アイデア出しの効率化を目指すという。
イラストのAI学習を妨げる「emamori」サービス終了へ 「コストの観点から継続難しく」
SnackTime(東京都港区)が、電子透かし技術を用いてイラストのAI学習を妨げるとうたうサービス「emamori」の提供を、2025年1月18日に終了すると発表した。「イラストの保護加工にかかるコストの観点から、現行の技術・ビジネスモデルでは、サービスを継続していくことが難しくなった」(同社)
文章に“多重電子透かし”を入れる技術、日立が開発 書き手が「人間」or「AI」か区別可能に その仕組みとは?
日立製作所は、AIが生成した文章に多重電子透かしを搭載する技術を開発したと発表した。この技術を使うことで、人間が書いた文章なのか、AIが生成した文章なのかを見分けられるという。
時の人・安野たかひろ氏はどんな生成AIツールを使ってる? “標準装備”を聞いてみた
AIエンジニアの安野貴博は、一体どんな生成AIを活用し、日々の仕事をこなしているのか。普段の“標準装備”から、関心のあるツール・大規模言語モデル(LLM)、その用途や使い方を聞いてみた。


