ソフトバンク、通信業界向けAI「LTM」開発 “モバイルネットの専門知識”で基地局の最適化などに活用へ

ソフトバンクは、通信業界向け生成AI基盤モデル「Large Telcom Model」を開発したと発表した。同社の持つ通信事業関連のデータやノウハウを学習。モバイルネットワークの設計・管理・運用で高度な推論ができるという。

[ITmedia]

　ソフトバンクは3月19日、通信業界向け生成AI基盤モデル「Large Telcom Model」（LTM）を開発したと発表した。同社が持つ通信事業関連のデータやノウハウを学習。モバイルネットワークの設計・管理・運用で高度な推論ができるという。

　LTMは同社の保有するネットワークデータと、設計・管理・運用ノウハウを持つ同社の専門家が作成した教師データで学習。モバイルネットワーク専門家の知識や知見を再現できることが特徴だ。

ソフトバンク、通信業界向けAI「LTM」を開発（画像はプレスリリースより）

　LTMをファインチューニングすることで、モバイルネットワーク運用の各ユースケースに特化したAIモデルを開発できる。第1弾として、基地局における設定の最適化に特化したAIモデルを開発。学習データから除外した基地局の設定を推論したところ、社内の専門家が最適化した設定と比べ、90％以上の精度で同様の設定を生成できたという。人為的ミスやコスト削減、無線アクセスネットワークの性能向上などの効果が期待できるとしている。

　LTMの開発にあたり、ソフトバンクは米NVIDIAと協力。NVIDIAのAPI「NVIDIA NIM」を使用することで、入力からトークン出力までの時間と、1秒あたりのトークン生成速度の両方で約5倍の性能向上を実現した。また分散トレーニングにおいては、企業向けAIインフラ「NVIDIA DGX SuperPOD」を活用したという。

　ソフトバンクは今後、LTMの研究開発を進め、自社導入を目指す。

ソフトバンクの発表全文（1/3）

ソフトバンクの発表全文（2/3）

ソフトバンクの発表全文（3/3）

【修正履歴：2025年3月19日午後6時40分】記事掲載当初、プレスリリースに誤りがあり、本文および画像にて「Large Telco Model」としておりましたが、正しくは「Large Telcom Model」でした。プレスリリースの訂正にあわせ、修正いたしました。