イオン、従業員にオールインワンの“AIデバイス”導入へ AIはマイクロソフトと共同で開発
イオンリテールは5月15日、AIによる従業員のサポートシステムを利用できる「オールインワンデバイス」を導入すると発表した。生成AIを活用した機能「AIアシスタント」などが使えるという。
イオンリテールは5月15日、AIによる従業員のサポートシステムを利用できる「オールインワンデバイス」を導入すると発表した。生成AIを活用した機能「AIアシスタント」などが使えるという。5月29日から、約390店舗で順次展開予定。
イオンリテールは2021年、AIが過去のデータを基に食品の適切な割引金額を提示する「AIカカク」を運用開始。22年には、AIが従業員のシフトから最適な勤務計画を作成する「AIワーク」を導入するなど、AIによる業務のサポートに注力してきた。一方、これまでは各システムを複数の端末から操作していた。
そこで、シングルサインオンにより、複数のシステムを一括で操作できる「従業員アプリ」を新しく開発。同アプリを、オールインワンデバイスで使えるようにすることで、複数端末からシステムを操作する手間を軽減するという。
同アプリには、AIアシスタントも実装した。AIアシスタントは、日本マイクロソフトと共同で開発しており、米MicrosoftのチャットAI「Microsoft Copilot」を活用。数万ページに及ぶ業務マニュアルなどを学習させ、従業員の質問に回答できるようにしたという。
加えて、オールインワンデバイスには、OCRによるスキャン機能や、カメラに映る複数のバーコードを一括で読み取る機能などを搭載。業務の効率化を図る。
オールインワンデバイスは25年度に1万台、26年度に5万台をめどに導入する予定。一方、同デバイスは順次供給となるため、従業員アプリは、同デバイス以外の従業員端末でもインストールして使えるようにするという。
【訂正履歴:2025年5月16日午後1時】記事掲載当初、タイトルに「マイクロソフトと共同で開発」と記載していましたが、誤解を招く表現だったため、「AIはマイクロソフトと共同で開発」に訂正しました。
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