AIが建設現場の熱中症を予防 1日3回、体重測定→Googleの「Gemini」が必要な水分量をアドバイス

ユーフォリアは、米Googleの生成AI「Gemini」を活用し、建設現場での熱中症を予防するシステムを開発したと発表した。測定した作業者の体重データなどをもとに、Geminiが熱中症を予防するためのアドバイスをするという。

[ITmedia]

　スポーツ分野のデータ分析や技術開発を手掛けるユーフォリア（東京都千代田区）は5月28日、米Googleの生成AI「Gemini」を活用し、建設現場での熱中症を予防するシステムを開発したと発表した。測定した作業者の体重データなどをもとに、Geminiが熱中症を予防するためのアドバイスをするという。同日から建設会社の奥村組（大阪市阿倍野区）で導入する。

AIが建設現場の熱中症を予防

　同システムには、Google Cloudを活用。特別なセンサーや、ウェアラブルデバイスを使わず、出勤・休憩・退勤時の1日3回程度の体重・体調測定によって、熱中症のリスクを把握できるのが特長だ。測定した体重・体調のほか、気象情報などを加味し、Geminiが必要な水分摂取量や休憩のタイミング、塩分補給の目安などを、ほぼリアルタイムで提供する。

プログラムの内容

　開発には、ユーフォリアがこれまで手掛けてきた、スポーツ選手向けの体調管理アプリ「ONE TAP SPORTS」で得た知見を生かした。同アプリの運用を通じ、気温の高い環境下で必要な水分摂取量や体調の変化に関するデータを応用した。

　今後は建設業だけでなく、製造業や運輸業、屋外イベント運営など、熱中症リスクが高く、ウェアラブルデバイスを常に装着することが難しい現場への展開を目指す。