Google DeepMind、地球マッピングAI「AlphaEarth Foundations」公開
Google DeepMindは、地球の地図作成のためのAI基盤モデル「AlphaEarth Foundations」を発表した。仮想衛星のように地球全体を統一的にマッピングし、食料安全保障や森林破壊などの問題解決に貢献する。生成されたデータはオープンライセンスで公開される。
米Google傘下のGoogle DeepMindは7月30日(現地時間)、地球の地図作成のためのAIモデル「AlphaEarth Foundations」を発表した。Googleの地理空間AIモデルとデータセットのコレクションである「Google Earth AI」の一部になる。
この新しいAIモデルの主な目的は、地球の全体像を詳細にマッピングすることという。「仮想衛星」のように機能し、地球全体を統一されたデジタル表現に統合することで、地球の陸地および沿岸海域を正確かつ効率的に特徴付けていく。
これにより、科学者は地球の進化についてより完全で一貫した全体像を得ることができ、食料安全保障、森林破壊、都市の拡大、水資源などの重要な問題について、より情報に基づいた意思決定を行うのに役立つとしている。
従来の測定方法や他のAIマッピングシステムと比較して、一貫して正確という。特に、土地利用の識別や地表特性の推定を含む幅広いタスクで優れていることがテストで実証されたとしている。
AlphaEarth Foundationsによって生成された年次埋め込みのコレクションは、Google Earth Engineの「Satellite Embedding dataset」として公開されている。このデータセットは、2017年から2024年までの地球規模の年次埋め込みフィールドレイヤーを含み、オープンライセンスで利用可能だ。
これにより、科学者や専門家は、作物の健康状態の監視、森林破壊の追跡、新しい建設の観察など、詳細で一貫した地図をオンデマンドで作成できるようになった。例えば、Global Ecosystems Atlasは、まだマッピングしていない生態系を分類するためにこのデータセットを使用しており、保全地域の優先順位付けや生物多様性損失への対策に役立てているという。
将来的には、AlphaEarth Foundationsの埋め込みが、Geminiのような汎用推論LLMエージェントと組み合わされることで、さらに有用になる可能性があるとしている。
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