日立、「自己成長型」のAI開発 600種類の“専門家AI”が議論、「深い洞察で経営支援」うたう
日立製作所と、同社のグループ会社でソフトウェアサービスを手掛けるハピネスプラネットは、複数のAIに議論させることで、深い洞察を自律的に導き出す自己成長型の生成AIを開発したと発表した。
日立製作所と、同社のグループ会社でソフトウェアサービスを手掛けるハピネスプラネット(東京都国分寺市)は8月26日、複数のAIに議論させることで、深い洞察を自律的に導き出す自己成長型の生成AIを開発したと発表した。同AIを活用したサービス「Happiness Planet FIRA」(以下、FIRA)を、ハピネスプラネットが同日から提供。経営計画の策定や事業構想の補助といった用途での活用を見込む。
FIRAは、追加学習をすることなくユーザーの経営課題に沿った洞察や提案ができるため、企業ごとの学習データが必要ない点が特長。主に経営者のパートナーとして、経営計画の策定やIR対応、新規事業構想、研究開発などの課題に対応するという。
同サービスには、メンタルトレーナーの久瑠あさ美氏や、アスリートの為末大氏など実在する専門家を模したAI「Bunshin」を含め、経営学や経済学、データサイエンス、歴史、哲学などを専門とするAIを合計600種類搭載。ファシリテーション役のAIのもと、各AIが議論することで、深い洞察が導き出せるとしている。
日立は同サービスによる経営の支援性能を、グローバルに広く使われている13種類の生成AIモデルと比較。リスクや財務、投資、人事、営業などの10の経営テーマに対するAIの回答を、驚きや奥深さ、メタ認知などの7つの項目でAIが評価する「LLM-as-a-Judge」で測定した。その結果、FIRAが最も高いスコアを獲得し、偏差値ベースで27ポイント上回ったという。
なお、比較したAIモデルの詳細を日立製作所に聞いたところ、「他社に関する情報のため回答は難しい」と答えた。
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