Microsoft 365 Copilot、OpenAIモデルに加えAnthropicの「Claude」も選択可能に
Microsoftは「Microsoft 365 Copilot」にAnthropicの「Claude」を導入すると発表した。OpenAIのモデルに加え、Claude Sonnet 4やOpus 4.1も選択可能になる。まずResearcherとCopilot Studioで提供する。
米Microsoftは9月24日(現地時間)、「Microsoft 365 Copilot」に米Anthropicの「Claude」を追加すると発表した。「Copilotは引き続きOpenAIの最新モデルを活用するが、Researcherから、またはMicrosoft Copilot Studioでエージェントを構築する際など、Anthropicモデルも柔軟に利用できるようになる」としている。
今回の追加により、エンタープライズ顧客は既存のモデルオプション(OpenAIの「GPT-4o」「GPT-4.1」「GPT-5 Auto」「GPT-5 Researching」)と並んで、「Claude Sonnet 4」と「Claude Opus 4.1」を選択できるようになる。
Anthropicモデルは、まずMicrosoftの推論エージェント「Researcher」と「Copilot Studio」で提供される。Researcherエージェントでは、OpenAIの推論モデルに加えてClaude Opus 4.1も利用可能となり、ユーザーは好みのモデルを選択できる。また、Copilot Studioでは、Claude Sonnet 4とClaude Opus 4.1がモデルオプションとして提供される。Copilot Studio内では、Anthropic、OpenAI、Azure Model Catalogのモデルを組み合わせて利用することも可能だ。
なお、Microsoftは15日には、GitHub CopilotのVS Codeにおいて自動モデル選択機能のプレビューを導入しており、有料ユーザー向けにClaude Sonnet 4をGPT-5、GPT-5 miniなどとともに選択可能にしている。
新機能は、既にFrontier Programを通じて展開が開始されており、Microsoft 365 Copilotのライセンスを持つユーザーは、オプトインすることで利用可能になる。利用を開始するためには、組織の管理者がMicrosoft 365管理センターでAnthropicモデルへのアクセスを有効化する必要がある。また、AnthropicモデルはMicrosoft管理外の環境でホストされるため、Anthropicの利用規約に同意する必要がある。
Microsoftは、今後もAnthropicモデルをMicrosoft 365エコシステムに導入していく予定という。
Microsoftはこれまで、BingやWindows、Azureなどで主にOpenAIのAIモデルを採用してきた。同社はOpenAIに130億ドル以上を投資している。両者は現在も緊密な関係を維持しているが、OpenAIは米Oracleや米NVIDIAからも出資を受け、パートナーを拡大している。
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