講談社やKADOKAWAなど19団体が生成AI巡り共同声明 「Sora 2」問題受け
講談社やKADOKAWAなどの出版社17社と、日本漫画家協会、アニメ制作会社を中心に構成される日本動画協会(東京都文京区)は10月31日、“生成AI時代”における創作と権利の考え方をまとめた共同声明を発表した。米OpenAIの動画生成AI「Sora 2」で出力された動画の一部が、既存の創作物に酷似していたことを問題視。生成AIを利用する際のルールや権利侵害への対応方針を示した。参加企業・団体は以下の通り。
- 秋田書店
- 一迅社
- 宙出版
- KADOKAWA
- コアミックス
- 講談社
- 小学館
- 少年画報社
- 新潮社
- スクウェア・エニックス
- 竹書房
- TOブックス
- 日本文芸社
- 白泉社
- 双葉社
- 芳文社
- リイド社
- 日本動画協会
- 日本漫画家協会
共同声明では「生成AI技術の進展を歓迎し、その可能性を正しく生かすことで、より多くの人々が創作の喜びを分かち合える社会が望ましい」とする一方で「著作権侵害を容認しないという原則を改めて確認する」と表明。人の創作物を学習した生成AIでコンテンツを出力する際は、以下の原則を守るよう主張した。
1)学習段階および生成・公表段階の両方において、著作権法の原則に沿って権利者に必要な許諾を得る等の対応をAI事業者が取る
2)学習データの透明性が担保されている
3)権利者が利用を許諾した場合、権利者への適正な対価還元が行われる
この原則に加え「生成AIの利用者が他者の著作物をもとにしたことを知らずに生成物を作成・公開し、結果として他のクリエイターの権利を損なう状況を防ぐことも、私たちは必要と考える」としている。
権利の侵害に対しては、生成AIを活用しているか否かにかかわらず、法的・倫理的観点から適切に行動するとの方針を示した。この方針について「生成AIをはじめとした新しい技術を拒絶するものではなく、創作に携わる全ての人の努力と尊厳を守るための責任である」と説明している。
また、生成AIを巡る懸念点として、権利者が事後的に使用拒否を示す「オプトアウト」では、権利侵害につながると指摘する。「著作権法の『権利者の許諾を得てから利用する』という原則に反する」といい、事前に使用許諾を得る「オプトイン」を徹底するよう求めた。
他にも「データの学習段階における透明性担保が不十分である」との懸念も示した。権利侵害を検証するため、AIがどのような著作物や表現をもとに生成したか確認できるようにする必要があるとした。
Sora 2は、OpenAIが10月1日に発表した動画生成AI。SNS上でその性能が評価されている一方、日本の人気マンガやアニメなどに酷似した動画を生成できたことから、著作権の侵害を懸念する声も広がっていた。
声明では、Sora 2に対しても「権利者から明示的なオプトアウト申請がない限り著作物が生成・公開・公衆送信されるシステムを採用した」と指摘。「このことは、我が国の著作権法の原則のみならず、世界194ヵ国が加盟するWIPO(世界知的所有権機関)の著作権条約の原則にも反する」との認識を示した。
OpenAIのサム・アルトマンCEOが4日に、Sora 2をオプトインにすると個人ブログで表明しているが、これに対しても「企業としての正式な方針なのかどうかは現時点で確認されていない」と主張。「『第二、第三の Sora 2』とも言うべき新たな生成AIが登場することも容易に予見される」として、生成AIに対する立場を示す必要性があると判断したという。
なお、アルトマンCEOがSora 2の方針転換を発表して以降、SNSではSora 2で日本のキャラクターを生成できなくなったとの投稿も見られる。
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