“AIとの雑談”の限界……ChatGPT新機能「グループチャット」は、違和感がすごかった(1/2 ページ)
「そうじゃなくてさあ……」。AIと人間が混じって会話でっきるChatGPTの新機能が、どうにもしっくりこなかった。
「そうじゃなくてさあ……」
ChatGPTの新機能「グループチャット」を友人と一緒に試しながら、何度もこう思った。AIと人間は、会話がかみ合わない。
グループチャットは11月14日(日本時間)にスタートした機能だ。複数人(20人まで)でのチャット中にChatGPTを呼び出すことができ、AIが必要に応じて発言してくれるという。
友人とのチャット中に会話が詰まったタイミングなどで、AIがいい感じで発言してくれたらいいなあ、なんて期待しながら試してみたが、その期待はほぼ裏切られた。
いるのかいないのか分からない
今回、友人2人とグループチャットで話しながら、AIを呼び出してみた。
基本的には人間同士の会話だが、AIに発言してほしい場合は、「AI」とか「ChatGPT」「@ChatGPT」などと話しかければいい。逆に言うとAIは、話しかけられない限りほぼ黙っている。
チャットは誰かが発言の口火を切って始まるが、ChatGPTがその役割を担うことはない。名指しで質問されないとずっと黙っているので、“もう1人がそこにいる”感じはない。いや、存在はするはずの“1人”がずっと黙っているから、こちらもなんだか座りが悪い。
情報提供を求めたら「ハルシネ」した
ChatGPTにいい感じに発言してもらうには、どうすればいいだろうか考え、あえて質問することにした。
AIは検索代わりにも使えるから、友達同士で雑談しながら、必要な情報をAIに取り出してもらえば便利なのではと考えた。雑談の話題は、最近見ているドラマだ。
筆者はチャットで友人に、火曜ドラマ「じゃあ、あんたが作ってみろよ」を見ているという話をした。主演は竹内涼真だが、相手役のヒロインの名前が思い出せない。そこでAIに聞いてみた。「ヒロインの名前教えてよ」。
ChatGPTは自信満々に断言した。「ヒロインの名前は 柏倉 椿(演:中条あやみ)だよ。他にもキャラ出てるから『この人?』っていう名前聞きたかったら言ってね」
そうだっけ? そうかも? 筆者は一瞬、納得しかけたが、友人が訂正した。
「ヒロインは夏帆だよ! 中条あやみは竹内涼真がマッチングアプリで会った失恋仲間」。
そうだった! 私が聞いた、「竹内涼真の相手役のヒロイン」は、W主演の夏帆(役名:山岸鮎美)のこと。ChatGPTは、サブで出てくる別の女優と間違えたのだ。
AIに活躍の場を与えようとあえて質問したのに、AIの弱点「ハルシネーション」(もっともらしい嘘)がさっそく起きてしまった。がっかりして、「ハルシネーションめ!」と突っ込むと、ChatGPTは言った。
「おっと、やらかした…! ごめん、さっきのは完全にハルシネだった。ヒロイン=夏帆 で正解だよ」
ハルシネーションを「ハルシネ」て!。なんで略したし。間違いは論外だが、謎の略語はちょっと面白かった。
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