監査のお断り、相次ぐ──データセンター事業のピクセルが発表 3年担当した監査が辞任、後任も就任に至らず
監査のお断り、相次ぐ──データセンター事業を手掛けるピクセルカンパニーズを巡り、そんな事態が起こっている。同社は11月14日、2025年12月期第3四半期決算(25年1月1日〜9月30日)の公表を延期するとも発表していた。
監査のお断り、相次ぐ──データセンター事業を手掛けるピクセルカンパニーズ(東京都港区、以下ピクセル)を巡り、そんな事態が起こっている。同社は11月14日、2025年12月期第3四半期決算(25年1月1日〜9月30日)の公表を延期すると発表。理由は「適切な監査を受けることができていないため」としており、その後から会計監査人が不在の状態になっていた。
ピクセルが14日に発表した声明によると、「当社は監査法人からの要求に基づき監査資料の提出を進めてきたが、当社決算発表時の直前での追加資料の徴求をされるなど、適切な監査を受けることができていない」と説明。資料の準備・収集に時間がかかるため、決算発表を延期していた
その後、ピクセルは20日、22年から会計監査人を務めていた監査法人のアリア(東京都港区)が辞任したと発表。その理由について、ピクセルは「監査資料の収集・整理を進め、当社の事業に対する理解を高めてもらい、監査法人の理解を得ようとしたが、アリアより、同法人としての監査継続は適当ではないとの考えが示された」と説明。後任として、監査法人のKs Lab.(Ks Lab.)が一時会計監査人として就任予定としていた。
しかしピクセルは26日、Ks Labが一時会計監査人の就任には至らなかったと発表した。理由は「Ks Lab.より、同法人における契約(受嘱)審査手続の結果、当社の監査業務を受嘱することは困難であるとの判断に至ったとの申し出があった」と説明。後任の選定を再度始めているが、現時点では未定だ。
なおKs Labは26日、ピクセルが20日に出した声明について「当法人が『監査人予定者』として記載されているが、当該公表時点において、監査人受嘱に関する契約の締結および就任承諾を行った事実はない」と発表している。
これを受けピクセルは26日、公式Xアカウント(@PIXELCZ_inc)を更新。「本決算開示日が2026年2月14日ですが、12月中に就任いただけるように早急に手配を進めてまいります」と表明している。
ピクセルの25年12月期第2四半期の連結業績(25年1月1日〜6月30日)は、売上高は4億6300万円(前年同期比31.3%増)、営業利益は4億1600万円の赤字(前年同期は3億1300万円の赤字)、純利益は3億4500万円の赤字(前年同期は14億6800万円の赤字)となっていた。
なおピクセルは、25年1月29日に東京証券取引所から特別注意銘柄に指定された。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
オルツの不正はなぜ起きた? 報告書・元社長の経歴を分析 「AI新興企業は“捕まっていない詐欺師”」と言わせないために
7月に明らかとなったオルツにおける売上不正行為。なぜこのような不正行為が行われ、上場企業にもかからず、ここまで見過ごされてきたのか。オルツにおける設立から民事再生までの実績を掘り下げて、不正が見落とされた背景を探る。
AIスタートアップのオルツ、“売り上げ7割水増し”報道に声明 「具体的な事実関係把握してない」
AIスタートアップのオルツは、同社が2024年12月期の売り上げ60億円のうち、7割にあたる約40億円を水増しした可能性があるとする朝日新聞の報道に対し、声明を出した。「当社として具体的な事実関係を把握しているものではない」としている。
AIバブル懸念は当面後退か? NVIDIA強気見通し 株価5%高
NVIDIAは11月19日、第4四半期(2025年11月〜26年1月)の売上高が650億ドルになるという見通しを示し、市場予想を上回った。AIバブルを巡る懸念が広がる中、クラウドプロバイダーからのAI半導体への需要が急増すると見込んだ。
JR九州グループ、データセンター事業に参入 久留米市で27年運用開始
JR九州グループがデータセンター事業に参入する。傘下のJR九州電気システムが10月29日、福岡県久留米市でモジュール型データセンターの建設を開始すると発表した。11月に着工し、2027年4月の運用開始を目指す。
個人宅に“企業のデータセンター”設置、廃熱を暖房として活用 英国で実証実験
英国では、データセンターの廃熱を活用した家庭暖房システムの実証実験を開始している。英国の電力供給事業者・UK Power Networksが主導して、英エセックスの夫婦が国内初の試験導入者となり、光熱費削減を実現した。






