AIコーディングで“開発効率向上”のはずが…… ファインディが直面した「生産性が低下した事例」とは?(2/2 ページ)
ITエンジニアの転職支援を手掛けるファインディの調べでは、国内ITエンジニアの7割超がAIツールを業務で活用中と回答した。同社自身も積極的にAI生成コードを活用しているが、AIによって“生産性が低下する事例”も出てきたという。
AI活用成功のカギは、組織全体にあり
この結果からファインディでは、AI活用成功のカギは、組織全体での取り組みにあると考えを示している。具体的には、AIを活用した開発フロー「AI駆動開発」が26年に、より社会へ浸透していくと予想。これは、大企業の開発組織の内製化や戦略子会社化が増えつつある動きからも読み取れるという。
「大企業が社内にためているデータを資源に変えるため、AI活用を進めようとすると、自分たちでAI基盤を作ったり、その手前のデータ基盤を整えたりしないと難しいという現実に直面する。そのような議論が大企業では増えてきている。ファインディを利用するクライアントでも、大企業が増えている傾向がある」(山田代表)
このため、DevOps環境を整備するニーズが高まることも想定される。実際、米国では開発内製化が進むにつれ、DevOpsやデータ基盤のニーズが拡大。DevOpsの知見が、AI活用を左右すると見通している。
一方で、全てを内製化をしていくのは現状では難しいというのも現実だ。AIの普及によって作りたいものは増え続けていく状況でもあるため、SIerも今後引き続き伸び続けていくと山田代表は見解を示す。つまり、内製化への注力とSIerの需要増が並行していくというのがトレンドになるという。
一時は「生成AIによってITエンジニアの採用ニーズが減少する」という意見もあったが、実際にはその採用需要は大きく落ち込まなかった。理由は前述の通り、簡単に開発生産性は上がらないという点が一つ。もう一つは、開発生産性が向上するにつれて、会社間での開発競争が激化する点にある。
このため、AIを使いこなせるITエンジニアの需要は、より高くなっており、逆にAIに適用できない実力を持つ技術者の採用需要は減少傾向にあるという。AIによって開発スピードが上がっているため、プロダクトをカスタマイズできる能力を持つ、ハイスキルなITエンジニア層の採用ニーズは、どんどん増えていると山田代表は指摘する。
ビジネスモデルを「コンサル×AI SaaS」に転換
AIによってITエンジニアの仕事や、企業の開発環境が変化していく今の環境は、ファインディ自身にとってもチャンスになると山田代表は語る。具体的には、AIによる市場拡大の機会を生かして毎年150%の成長を持続し、28年までに累計登録企業数1万社を目指していく。
ファインディではこの目標を実現するため、執行役員や専門役員を増員するなど、新たな経営体制を発表。また事業部体制も見直し、新たにプラットフォーム事業部と新規事業担当部署の設立した。さらにビジネスモデルについても「コンサル×AI SaaS」に転換し、コンサル専属部隊の立ち上げ、そこへの投資も宣言した。
「AI駆動開発が普及していくチャンスや、大企業の開発内製化の進展などは、われわれにとって追い風。特にわれわれは、エンジニア領域のハイスキル層に強い。そこを生かして『AI時代のエンジニアはファインディで』というタグラインを作っていきたい」(山田代表)
経営×IT×事業のコラボで導くデジタル基点のビジネス変革
経営層とIT部門、そして現場業務を担う事業部門の視点を合わせ、デジタル戦略の解像度を高めるためにはどうすればいいのでしょうか。本イベントでは、ビジネストレンドを整理しながら、今知りたい経営×IT×事業のコラボレーションで全社の変革を進めるためのヒントをお届けします。
- イベント「ITmedia デジタル戦略EXPO 2026 冬」
- 2026年1月27日(火)から2月25日(水)まで
- こちらから視聴登録できます
- 主催:ITmedia ビジネスオンライン、ITmedia NEWS
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
エンジニア採用、増やす・減らす?──AI普及で約半数の企業が「人数見直す」 ファインディ調査
AIの普及で、約半数の企業がエンジニア採用人数を見直し──エンジニア向けの転職支援を手掛けるファインディは、そんな調査結果を発表した。
DeNA「AIにオールイン」の内実 キーパーソンが明かす“リアルな”取り組み
ディー・エヌ・エーが掲げるAI戦略「AIオールイン」。その内実について、同社の住吉政一郎氏(AIイノベーション事業本部 本部長)が登壇したイベントで語った。
「仕事で生成AI活用中」──ITエンジニアの90%超が回答 「出社頻度が増えた」の声も
ITエンジニアの9割以上が業務で生成AIを使用している──エンジニア向けの転職サービスを運営するファインディは、IT/WebエンジニアのAI活用状況などの調査レポートを発表した。
「ドラゴンボール」のブルマはITエンジニアの理想像──ファインディがテレビCMに起用
エンジニア向けの転職サービス「Findy」を運営するファインディは、テレビアニメ「ドラゴンボールZ」のキャラクターを起用したテレビコマーシャルを放送すると発表した。
ITエンジニアは“たけのこ派”が多い──転職サイトが483人に調査 「Crackerはダメです」などの声
世界一“実務の役にたたない”調査レポート──エンジニア向けの転職サービス「Findy」を運営するファインディは、そう題した“エンジニアの嗜好”に関する調査結果を発表した。「きのこ派orたけのこ派」「イヌ派orネコ派」など好みを聞いた。




