AI「Seedance 2.0」で日本のアニメ無断利用→業界団体がTikTokに問い合わせ→「速やかに対応」と回答
TikTok Japanから「このAIモデルは正式公開前のもので、速やかに対応を進めている」との回答を得たという。
日本アニメフィルム文化連盟(NAFCA)は2月13日、TikTok運営元・中国ByteDanceのAIモデル「Seedance 2.0」を用いて日本のアニメなど著作物を使用した動画が生成されている問題について、TikTok Japanに問い合わせたところ、「このAIモデルは正式公開前のもので、速やかに対応を進めている」との回答を得たと発表した。
NAFCAは2024年、アニメ業界の持続的発展を目的としてTikTok Japanから寄付を受けており、Seedance 2.0について「そのような観点に逆行するもの」と考えて問い合わせたという。
Seedance 2.0は、2月上旬にβ版として公開された動画生成AI。テキストや画像、動画、音声を組み合わせ、最大15秒の動画を生成できる。まるで本物の映画やアニメのように自然な映像を再現するクオリティの高さが話題だ。
SNS上では、日本のアニメや実写映像などのコンテンツを無断で利用し、同サービスで生成された動画が多数公開されている他、米ハリウッドの映画やディズニーアニメなどの著名コンテンツの無断が目立ち、グローバルで批判を浴びている。
そんな中NAFCAには、日本のアニメを無断で使ってSeedance 2.0で生成された動画などについて多くの問い合わせが寄せられているという。
NAFCAは、「著作権処理が不十分なままコンテンツが利用されることや、制作現場の持続可能性を損なう技術利用に、深い懸念を抱いている」とコメント。ByteDanceをはじめとする生成AI開発企業に対し、「クリエイターの権利を尊重した真摯な対応」を求めた。
この問題を巡っては、小野田紀美AI戦略担当相も2月13日の記者会見で「看過できない」と述べ、実態把握を急ぐ考えを示した。米国でもDisneyやParamaountがByteDanceに停止通告書を送付するなど、国際的に批判が広がっている。
動画生成AIによるアニメなどの無断利用問題は、2025年10月にOpenAIが公開した「Sora 2」でも起きた。AIで生成する動画が“本物”と見分けが付かないレベルになる中、生成AI企業と著作権者の緊張は、さらに高まっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「高市首相vs.ウルトラマン」「悟空vs.ドラえもん」も……中国発の新動画AI「Seedance2.0」物議
中国ByteDanceが2月10日(現地時間)までに発表した動画生成AIの新モデル「Seedance 2.0」がSNS上で物議を醸している。一貫性のある映像を出力しやすいとうたう同モデルだが、XやTikTokではSeedance 2.0で生成したという、日本のIPの映像が続出。中には「高市首相vs.ウルトラマン」といった動画もあり、米OpenAIの動画生成AI「Sora 2」と同様に物議を醸している。
コナンやウルトラマンがAI動画に――「TikTok」運営元の動画生成AI巡り、小野田大臣「実態把握急ぐ」
小野田紀美AI戦略担当相は2月13日の記者会見で、中国ByteDanceの動画生成AI「Seedance 2.0」を使い、日本のキャラクターを用いた動画が生成・拡散されている問題に言及。関係省庁と連携して実態調査に着手するとともに、ByteDanceに事案の改善を求めるよう事務方に指示したことを明らかにした。
「Sora 2」が踏んだ虎の尾 国内から怒りの声明続出も、立ちはだかる著作権法の“属地主義”
米OpenAIの動画生成AI「Sora 2」が日本のアニメキャラクターを無断生成できる問題で、政府や出版社が相次いで抗議。だが日本の著作権法は国内にしか適用されず、OpenAIのオプトアウト方式も技術的限界を抱える。ディズニーは即座に対応したのに、なぜ日本企業は後手に回るのか。AI学習と著作権の複雑な関係を整理する。
日本政府、OpenAIに「著作権侵害行為」を行わないよう要請 Sora 2での“アニメ風動画”問題を受け
OpenAIの動画生成AI「Sora 2」で生成された、日本のアニメ作品に酷似した動画がSNS上に相次いで投稿されている問題を受け、政府がOpenAIに対して著作権侵害行為を行わないよう要請していたことが分かった。
あのキャラの声、AIで勝手に再現「無断AIカバー」氾濫 声優と弁護士に聞く「声の守り方」と未来
人気声優や歌手の声を無断で使った「AIカバー」が急増。対策は? AI時代の声の未来は? 声優と弁護士に聞いた。

