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日本生命の米国法人、OpenAIを提訴 ChatGPTが「法律業務」
日本生命保険の米国法人は、対話型のAI「ChatGPT」が弁護士資格を持たずに法律業務を取り扱い、保険金の元受給者が和解合意を破って訴訟を乱発するのを手助けしたとして、ChatGPTを運営する米OpenAIを米国イリノイ州シカゴの連邦地裁に提訴した。
日本生命保険の米国法人は3月4日、対話型のAI「ChatGPT」が弁護士資格を持たずに法律業務を取り扱い、保険金の元受給者が和解合意を破って訴訟を乱発するのを手助けしたとして、ChatGPTを運営する米OpenAIを米国イリノイ州シカゴの連邦地裁に提訴した。
約30万ドル(4710万円、1ドル157円換算、以下同)の損害賠償に加え、懲罰的賠償として1000万ドル(15億7000万円)の支払いを請求した。
訴状によると、OpenAIは元受給者の女性に対し、障害に関する既に和解済みの紛争について給付請求訴訟を強行するよう促した。日本生命保険の米国法人は女性がChatGPTを使って作成した書類への対応に、多大な時間とコストを費やしたという。
訴状は「ChatGPTは弁護士ではない」と指摘。OpenAIは、ChatGPTが司法試験に合格できることを示しているが、日本生命保険の米国法人は「イリノイ州でも、米国内のいかなる司法区域においても法律実務を行うことは認められていない」と訴えた。
OpenAIは5日の声明で「訴えにはいかなる根拠もない」とした。
今回の訴訟は、対話型AIを通じた非弁行為を巡り、大手AI企業が告発された最初のケースの1つとみられる。

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