フリーランスが増えた背景は?フリーランスを目指す前に(1/3 ページ)

急速なITの進化、そして社会環境の変化により、オフィスを持たずにどこでも仕事ができる新しい働き方が増えている。“フリーランス”と呼ばれるその働き方を考えてみよう。

» 2013年05月20日 18時45分 公開
[三河賢文,Business Media 誠]

 「ノマド」という言葉が一般的に使われ始めたのは、2009年ごろからだろうか。

  • ノマドワーク
  • ノマドスタイル
  • ノマドワーキング

 新たな働き方として、こういった呼び名が生まれた。オフィスを持たずに、どこでも仕事ができる働き方。簡単に言えば、それが「ノマドワーキング」である。もともとの語源は「遊牧民」であり、1つの場所にとどまらず良い環境を求めながら土地を転々とする姿は、確かに「ノマドワーキング」を表している。

 会社員の中にも、外出先で空き時間にカフェなどから仕事をしていることがある。しかしこの「ノマドワーキング」を行うビジネスパーソンのほとんどは、いわゆるフリーランスワーカー達だ。近年は働き方が多様化しており、こうしたフリーランス、またはノマドワーキングで働く人が増えている。

 このような働き方が生まれたのは、なぜなのか?

 その理由の1つは、やはりITの進化だろう。PCなどの電子機器やインターネットサービスが普及し、働くことに自由度が広がったのだ。もう1つは、社会環境の変化である。長引く不況に企業は苦しみ、そしてその企業に対して人々が不安、不満を抱く。こうした心理的変化が、「会社を飛び出す」という選択肢につながっていくのである。

 しかし近年、どうも「フリーランス」「ノマド」という言葉だけが独り歩きしているように思える。こうした働き方をする人々に対して否定的な見方を示す人も増えているし、どうやら働き方に伴う“品格”ともいえるものが崩れてしまっているのではないだろうか。

 私自身そうした働き方を実践する身として、この働き方は月並みだが素晴らしいと思う。しかし万人にとってではなく、やはりメリットがあればデメリットもある。これから起業、独立あるいは副業などでノマドを目指す人には、こうした働き方の持つ「本質」について良く理解しておいてほしい。その上で、1つ働き方の選択肢として、「フリーランス」を目指すべきかを考えてもらいたい。

「フリーランス」とは何なのか?

 フリーランスとは、いわば組織に属さず自身のスキルや知識を生かして自らビジネスに取り組む働き方である。昨今では社会的変化と共に働き方は多様になっており、フリーランスとして働く人も増えている。

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