今でも「超」整理法で整理するのだ:シゴトハッカーズ(3/3 ページ)
1993年からロングセラーを続ける『「超」整理法』。時系列+使った書類は頭に入れる、というこのやり方は、今でも色褪せません。整理の達人2人に活用法を聞きました。
記憶で検索できる「超」整理法
発表以来、大ベストセラー、ロングセラーとなった同書のタイトルとともに、すっかり有名になった野口悠紀雄さんの『「超」整理法』ですが、この整理法がとても優れているのは、人間のメンタルモデルによく合っているからです。
人間の脳は、真新しい情報と、真新しくなくても直前にインプットした情報に、注意をひかれるようにできています。
注意をひかれるということは、よく覚えているということでもあります。もっともこれは、何も脳の性質などを持ち出さずとも、考えてみれば当然の話です。目新しいものは珍しいから注意しますし、ついさっき見たり聞いたりしたものは、よく覚えているに決まっています。
「超」整理法では、情報の扱い方が、この脳のやり方にとても近いのです。
つまり、「超」整理法では真新しい情報と、直前に扱っていた情報が、集中的に集まるようになっています。だから、「あ、あの書類」と思ったときには、最も取り出しやすい位置にそれが来ている、という体験を頻繁にできるのです。
「超」整理法が発表される以前には、こういうわけにはいきませんでした。紙情報は、情報の鮮度や、いつ扱ったかということとは何の関係もなく分類されるのが普通でした。
ごく一般的な分類方式では、内容別に情報を分類するのが当たり前だったのです。しかし内容別分類というのは、野口さんがはっきり指摘されているとおり、まず実行不可能な方法ですし、使用頻度や“情報の新しさ”は無視されます。したがって人間の脳の自然な性質からすると、分類されているわりに検索が難しくなります。
50音順で整理するというのも、同じように時間という属性を無視しますので、実行は不可能ではないにしても、整然と並ぶわりには、それほど検索効率が高まるわけではないのです。
原則として「時間順」に並んでいるというだけで、どうして効率的に検索できるのか、納得いかない方もいらっしゃるでしょうが、記憶が時間と深くかかわっていることを思えば、納得しやすい話なのです。
目にしてから日にちがたっていない情報については、当然それなりに「よく」覚えています。それならば、「新しい情報群」を探せばいいわけです。
反対に、「ずいぶん昔に見たような気がする」情報は、情報のイメージ自体が「おぼろげ」でしょう。「おぼろげ」な情報を見つけるには、「古い情報群」を探せばいいわけです。
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