大量のメールをうまく読み切るのだ:シゴトハッカーズ(4/4 ページ)
昨今のコミュニケーションはメールが中心。だれもが“あふれるメール”の処理に苦しんでいると思います。達人2人のメールに対する対処法をご紹介します。
少しずつ返事を書き進める
カリフォルニア医科大学の臨床心理士である、ロバート・マウラー博士は『脳が教える! 1つの習慣』のなかで、脳が拒否反応を起こさない程度に、「ネガティブな行動」を控えめに実行すれば、つらい思いをすることなく、大きな成果につながるような習慣を身につけられるといっています。
言いかえれば、一見大変そうなことでも、大変と言えない程度に実行することを繰り返すうちに、大した成果が上げられるというわけです。
大橋さんのメール返信のやり方も、そうした脳の性質を突いたものだといえます。
まず、メール返信の時間をあらかじめ決めておいて、時間がきたら即やめるというのがそうです。そういうルールがあるからこそ、「これは大変だ!」と脳が反応せずに済むのです。結果として、精神的には楽にタスクに取りかかれます。
また、メールの続きをリマインドされて、それに書き足せばいいというのも、余計な苦痛を感じずに済む巧みな工夫です。能動的に面倒なタスクのことを思い出し、能動的にその面倒事に取り組みはじめ、能動的に実行に移そうとするから、精神力を消耗してしまうのです。それが受動的に思い出され、その流れで実行に移すことができるなら、精神的なエネルギーはその分少なくて済みます。
実際、こうしたやり方はメール返信ばかりではなく、ほかの仕事にも応用できそうです。リマインダーでやりかけのタスクに登場してもらって、あらかじめ決めた時間だけ、そのタスクに継ぎ足せばいいというルールにしておくのです。
そうすればやっかいな仕事をただ先送りし続けるという、面白くなければストレスもたまる逃避をしないで済むでしょう。
メールの返信などは、送信したくない相手には送信したくないだけの十分な理由があるものです。つまり、「強い意思力」などがあったとしても、いやな場合にはいやなのです。
そんなときには、脳に「いやな思い」を自覚させずに仕事をしてもらうのが一番です。15分の限定は、その「いやな思い」を自覚できないように、短く時間を区切っているわけです。それすらも困難なら、時間を10分、5分と短くしていけばいいでしょう。いずれ、「その程度ならいやではない」という時間が見つかります。
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