カバンの中身は「使用モード」で「ポーチ」に分けるのだ:シゴトハッカーズ(4/4 ページ)
誰もが気になる、他人のカバンの中身。達人の2人は、あるポリシーに沿って、持って歩くものの選別と、その分類法を決めているようです。
「状況」に応じて最適な選択肢を用意する
大橋さんが、「頻度ではなく使うモード」にあわせて、持ち物を分類しているというのは、いかにも大橋さんらしいやり方だと思います。
すべてではありませんが、大橋さんのライフハックスの多くには、心理学で言う「状況依存効果」を最大限活用しようという趣旨が見て取れます。
状況依存効果とは、状況に応じて、人の脳は、思い出しやすい記憶と、思い出しにくい記憶が入れ替わる、という効果です。
例えば薬局の前を通りかかれば、人はティッシュを買うことを思い出しやすくなります。書店の前を通りかかれば、『ハリー・ポッター』の発売日を思い出しやすくなります。これが逆だったらとても不便です。しかし、こうした記憶想起は、ほとんど無意識のうちに起こるため、脳のやっている複雑でエレガントな所作を、いちいち気に留める人はほとんどいません。
確かに外出中、例えば読書をしているのであれば、取り出したくなるのは付せん、ペン、メモなどアナログツールであって、少なくともUSBメモリではなさそうです。一方で、ノートPCを使っている最中には、レターオープナーは必要なさそうです。
アナログ、デジタルという分け方は大まかで、人によってはもっと異なる分類の仕方もあるかもしれませんが、外出中の「状況」を、3通りか、多くても4通りにカテゴライズすることは、十分可能でしょう。4通りであれば、4種類のポーチがあればいい、ということになります。
例えば筆者であれば、電車での移動中の読書、音楽を聴いている時間帯、人と話している時間帯、それから仕事をする時間というふうに分けられます。このなかで、特に「ツール」を取り出すとすれば、読書中と音楽を聴いている時間くらいです。仕事中にはノートPCを持ち出すこともありますが、それほど身を入れて外出時に仕事をすることは、最近はあまりないのです。こうして考えてみると、筆者にとって今現在必要な「ポーチ」は3つということになります。
対談でも述べている通り、筆者自身は「使用頻度」で分けているといえば分けているのですが、「使用モード」で分けるというのは、なるほど便利そうだと感じます。
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