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LTとか高橋メソッドとかを考えるのだ(後編)シゴトハッカーズ

プレゼンテーションにもいろいろなやり方の流行やテクニックがあります。5分間でプレゼンするライトニング・トーク(LT)や、話す内容をそのまま資料にする高橋メソッドなど。これらをどう考えればいいのでしょうか。

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 →(前編はこちら)

プレゼンについて、別の質問ですが、プレゼン時間の短長によって、資料の作り方や構成は変わるのでしょうか? どんなことを意識するのでしょう。


時間の長短が極端に変われば、特に短いものであれば、テーマの本数を減らすなどして、私は対応しています。


 これはプレゼン関係の本でもよくいわれていることですが、時間は短ければ短いほど難しいと思っています。時間が短いだけに、盛り込む内容を厳選する必要があるからです。基本は、最終結論(最も伝えたいこと)をまず決めて、あとはこれを下支えする証拠固め(理論や事例、体験談)などを、時間のある限り詰め込んでいく、という感じになります。

もう1つ教えてください。資料を紙でも渡すのか、プロジェクターだけにするのかで資料の作り方ってやっぱり変わりますか? またプレゼンターからするとどっちのほうがいいのでしょうか。


 ケース・バイ・ケースですが、個人的には、配布資料とプロジェクタに映す内容と講師が話す内容の3つが一致しているのがベストだと思っています。たまに見かけるのが、配布資料は「参考資料」に過ぎず、プロジェクタに投影される内容はまた別で、さらに講師の話はこれらとリンクしない、というものです。すべてがちぐはぐなので、聴いているほうはとても疲れます。いったい何に集中すればいいのかが分からないからです。従って、次のような感じがよいと思います。

資料の配布形態 資料の完全度
プロジェクタ フルスペック
配布資料 プロジェクタの抜粋版(骨子)
講師の話 配布資料の骨子に沿って、プロジェクタの内容を解説

 こうすることで3者がそろいますので、聴いているほうは「とりあえずプロジェクタを注視していればいいんだな」という態勢でいられます。何かあれば、手元に「デッサン」がありますから、そこに書き足していけばいいですし、講師の話もそこから大きくブレることはないので、メモに夢中になって話半分になっても、置いてけぼりになることは少ないでしょう。

なるほど。最近の傾向として「高橋メソッド」(極端に大きな文字を使って、次々とスライドを切り替えていくプレゼンスタイル)を見ることが増えてきました。これについては、どう思いますか? これだと配付資料って悩みますよね。


 「高橋メソッド」は、講師が話す部分をプロジェクターに入れ込んでしまう方式ですが、そうであっても、構成はきちんと作り、本でいえば目次に当たるような内容を配布資料としたほうがいいでしょう。

 「高橋メソッド」ですと、どうしても流れていく感じになるので、聴いている側としては、今どこにいるのかが把握しづらくなります。これは話している側としても同様で、序論なのか本論なのか、クライマックスなのかを意識しておかなければ、唐突に話が終わった印象を与えたり、結局何がポイントだったのかが分からずじまい、ということになりかねません。そういう意味では、配布資料は「サイトマップ」のような位置づけで、「高橋メソッド」の場合でも作っておいたほうがいいと思います。

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