プレゼン資料は流れをつかんで作るのだ:シゴトハッカーズ(2/2 ページ)
プレゼンを成功させるためには、しっかりとした事前準備が大事。プレゼン資料を作成する時には、どんな点に気を付ければいいのかを解説します。高橋メソッドの動画サンプル付き。
なるほど。3つ目のキューというのが気になるのですが、これはどのようなものなのでしょうか?
例えば、それまで「やる気」について話をしていて、次に「時間管理」の話題に移るといった場合、次に移る話題のことをとっさに思い出せないということが、実際にはしばしば生じます。スライドを送るタイミングとの兼ね合いということになるのですが、大まかな流れは把握していても、次に「話すこと」と、スライドの内容とが、若干ずれてしまうことがあり得るわけです。
これがたまになら、少々笑いを取って会場の空気を和ませる、という機能も果たすことになりますが、あまり頻繁ですと準備不足の印象を与えてしまうので、あっても少なくしておきたいところです。そのために、「このスライドが出たら、次に出るスライドにはこう書いてある」ということを知らせるものが必要になってきます。これがキューです。
具体的には、どのような工夫をするのですか? ページの下部などに入れておくとか?
そうですね。ページの下部のノートに記しておくというのが、1つの方法です。実際私もそれをやります。それから、ページの下部のノートを見忘れるということが起こり得ますから、ノートを見るべきスライド番号をふったメモを用意しておいたこともありました。
もう1つ有効なのは、あまり具体的ではないかもしれませんが、リラックスするということです。リハーサルしておいて、十分にリラックスできれば、言うべきことをかなり的確に思い出せます。人間は緊張すると記憶想起が阻害されるので、「あとでこうやろう」と強く念じたことを思い出すには、ほどよくリラックスする必要があります。
MacのKeynoteだと、自分のノートPC画面には、現在のスライドと、次のスライドと、時間が秒単位で表示されますよね。また、Windowsでも、同時表示ではなく拡張表示機能でプロジェクタをつなげば、手元のノートPCでは、各スライドのサムネイルを確認しながら、プレゼンを進められると思います。こうした機能を使いこなすのも手ですね。
そうですね。あとは、話すことをすべてスライドに書いてしまうという手もあります。これは、すべてがキューになりますから、言い忘れたり言いよどんだりすることはなくなります。これは「高橋メソッド」という名前で手法化されており、僕自身も最初はこの方式でやっていました。慣れてくると、だんだんとアドリブも入れられるようになりました。スライドに書かれた言葉を手がかりに、すなわちキューとしてとらえて、そこから話そうと思っていたことやその場で思いついたことを話すわけです。
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
なるほど。こうやって全体像を理解して、時間配分を決めて、次に話すことを忘れないように(=常に、全体像と比較してどこまで話が進んだかを意識できるように)するわけですね。
資料自体の作り込みでは、どんなことに注意していますか? 図版とかアニメーションとか文字の大きさとか、1枚にどこまで入れ込むかとか。
なるべく1スライドにつき1つのトピックに限定しています。見ている人がどこを見ればいいか迷わないようにするためです。1つのことしか書かれていなければ、あとはスピーカーの話を聞くしかありませんから、ちゃんと話を聞いてくれます。スライドにたくさんの情報が書き込まれていると、それを読み取ることに気を取られて、話を聞いてもらえないですし、そもそも話す側としても、どこからどのように話していくかを瞬時に把握するのが困難になります。
私の場合は図版を使うことが少なくありませんが、それでもできる限りイラストは少な目に、アニメーションはできれば使わずに作るようにしています。それらを使えば、何かそれなりのことをしているような気がしてしまうのも確かです。しかし、自分が聴衆の側にいるときには、図版を見せられるとまずそれを理解しなければならないようなストレスを感じることがあったので。基本的には、言葉の説明で分かるようにしたいと思っています。図は冗長さを補ってくれますが、同時に説明が省略されているということでもあるため、多くなると聞き手の負担にもなってしまうのです。
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