調査リポート
「顧客の課題抽出できず」――企業の7割、営業現場に悩み
マーケティング研究協会の調査によると、「営業の提案力が弱いこと」「顧客の課題を抽出できないこと」を課題と感じている企業が多いようだ。
営業現場で最も問題となっているのは「顧客の課題を抽出できていない」こと――。マーケティング研究協会は2月9日、「営業教育実態に関するアンケート調査」の結果を発表した。2009年12月7〜18日にかけて行ったもので、回答したのは194社。
調査によると、「営業現場の課題は?」(複数回答可)という質問への回答で最も多かったのは、「顧客の課題を抽出できない営業担当が多いこと」「提案力が弱い営業担当が多いこと」でいずれも67.5%だった。そのほかの回答で多かったのは「自社の強みを活かせる営業担当が少ない」「価格対応しかできない」「顧客との良好な関係が築けない」など。
また、特に重点的に教育すべき役職・階層は、一般社員と営業課長/営業部長の間の「中堅社員」と答えた企業が半数を超えており、最も多い。中堅社員への教育的課題としては「後輩への指導」「企画提案」「目標達成意欲」などが挙がり、1年前の前回調査と比較すると「組織内のコミュニケーション」が課題と答えた割合も増えた。
マーケティング研究協会は、「(顧客は)商品ありきではなく、ソリューションを提供する問題解決型の提案を求めているにもかかわらず、実践されていない状況がうかがえる」とコメント。中堅社員の課題については、「自分自身の目標を達成するための活動に集中し、後輩とのコミュニケーションが減った、またはメールなどでのやり取りが多くなったのでは」と分析している。
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