文具の老舗メーカー「レイメイ藤井」、2014年版は綴じ手帳もシステム手帳もスマホ対応:手帳2014(2/2 ページ)
明治23年創業のレイメイ藤井は、システム手帳を中心に発売する総合文具メーカーだ。気になる2014年版のラインアップは、従来のスマホ対応路線を継続したものとなっている。
スマホリフィル「リフィルストッカー」
システム手帳もスマートフォン対応を強化した。専用アプリを使ってシステム手帳に記載した情報を画像データとしてスマートフォンに保存できる専用リフィル「リフィルストッカー」がそれだ。

写真右は、「KEYWORD」ブランドのリフィル(再生紙利用)。パッケージには、スマートフォン対応を昨年よりも大きく明記し、分かりやすくアピールしている。軽くて薄く、裏うつりしない巴川製紙所の「トモエリバー」を採用したシステム手帳リフィル(写真右、リフィルストッカー対応)リフィルの記入面右下に11けたの数字を刻印し、専用アプリで撮影することでリフィル型番と日付を認識。画像データとしてスマートフォン側のカレンダーに紐づけられる、またiPhoneであれば標準カレンダーともリンクする。紙の手帳は、複数年の過去の予定を保持することが難しいが、このやり方でデータを管理すれば何年分でも過去の予定が参照、検索できる。アプリに対応していない2012年以前のリフィルでは、日付を手動設定するようになっている。
リフィルストッカーは既に2013年版で発売していたが、2014年版ではAndroidに正式に対応。また、パッケージにもスマートフォン対応を大きく明記した。
レイメイ藤井はシステム手帳利用者の高齢化を懸念しており、スマホ対応リフィルの開発とそのアピールは、システム手帳のユーザー層そのものの掘り起こしという意味合いもある。2年目となる現在、30〜40代の男性からは少しずつ反響が増えているという。2014年版の商品ではパッケージにもスマホ対応を大きく明記することで、顧客への認知拡大を期待している。
所有欲をそそる“モノ”と情報整理の両立を志向
バインダーも充実している。中でも高級志向のものがダ・ヴィンチブランドのブライドルレザーを使ったタイプだ。これは北米産の成牛の革を使ったもので、2013年2月に発売。(フリーリフィル付)革自体の経年変化を楽しめるように、専用のブラシを付属したタイプを発売している。
デジタルツールの普及という環境の変化に合わせて、ビジネスパーソン向けにはリフィルストッカーのような商品を提供。同時にバインダーには質感を楽しめるアイテムを用意する。
所有欲をそそる“モノ”としての質感の高さ、デジタルとの融合による情報整理のしやすさを両立させたレイメイ藤井の手帳が、「スマートフォンと合わせて使う」というニーズにどこまで対応できるのか、注目して見守りたい。
著者紹介:舘神龍彦(たてがみ・たつひこ)
手帳評論家・デジアナリスト。最新刊『使える!手帳術』(日本経済新聞出版社)が好評発売中。『手帳カスタマイズ術』(ダイヤモンド社)は台湾での翻訳出版が決定している。その他の主な著書に『手帳進化論』(PHP研究所)『くらべて選ぶ手帳の図鑑』(えい出版社)『システム手帳新入門!』(岩波書店)『システム手帳の極意』(技術評論社)『パソコンでムダに忙しくならない50の方法』(岩波書店)などがある。誠Biz.IDの連載記事「手帳201x」「文具書評」の一部を再編集した電子書籍「文具を読む・文具本を読む 老舗ブランド編」を発売
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