8つの失敗から見る、営業職面接の“やってはいけない”【対策付き】:ものは売るのに自分は売れない? (2/2 ページ)
ものを売るのが仕事の営業職なのに、自分をうまく売り込めない――。こんな営業職の転職希望者が案外多いという。営業職の面接における、8つの“やってはいけない”について、キャリアコンサルタントの末永雄大氏に聞いた。
5.実績のアピール方法を知らない
これは意外と見落とされがちな部分なので、ぜひお伝えしておきたいと思います。
例えば前職で優れた営業実績を残している人が、その実績を面接でアピールするとします。この時、面接官の考えることは「うちの会社でも同じような実績が残せるのだろうか」ということです。
同じ営業職でも、中小企業向けなのか大手企業向けなのかで営業スタイルが異なりますし、商材やサービスが変わったり、インバウンドなのかアウトバウンドなのかでも内容が全然違いますよね。にも関わらず、求職者は結果だけを伝えることが多い。「これだけ売りました、スゴいでしょ?」と。
どうやってその成果を出したかを自分の言葉で説明することが求められているのに、意外とその意識がないのです。
面接官は、求職者が持っているスキルは汎用性があるものなのか、前職でのみ通用するスキルなのかを見極めたいので、努力、工夫したポイントなどをしっかり添えることを忘れないようにして下さい。
また、実績の見せ方については定量的かつ相対的であることが求められます。営業は数字を扱う仕事なので、実績についても具体的な数字で語るようにしてください。
相対的というのは、昨対比での達成度合や目標に対しての達成率、同じミッションを持っていた同僚との比較など、何かと比べて表現することです。実績に対する評価を裏付ける上で重要な物差しになります。
6.やりたいことばかり言ってしまう
転職理由として、求職者のやりたいことが実現できる企業だからというのは真っ当なものですし、それ自体は全く問題ありません。熱意を伝えることも非常に重要なことです。
ただ忘れてはいけないのが、企業への貢献意識です。採用側は常に「この人を採用すると、うちの会社にとってどんなメリットがあるのか」を考えています。
例えば、全くの異業種から大手広告代理店での営業職を希望する人。大きな予算に華やかなキャンペーン、やりたいことはスラスラ言えるでしょう。でも、やりたいこととできることは違いますよね? 具体的に貢献できることは何か、そしてその根拠を納得感のある理由とともに伝えなければいけません。
対策については、企業側のニーズをしっかりと把握することでしょう。求められていることに対して、ご自身ならではの解決方法を提示するように心がけてください。
7.将来のビジョンが不明確
「入社5年後にあなたはどうなっていたいですか?」
これも面接においてよく聞かれる項目だと思います。
質問の意図としては、“企業が目指す方向性と同じベクトルを向いて成長できる人を採用したい”という意向や、中途採用である以上はしっかりとしたキャリア志向を持った人物であるかを確認したいわけです。
よくある失敗例としては、「幸せな家庭を築きたいです」というように、私生活のことを言ってしまうケース。また、「営業として信頼されるようになりたい」など、当たり前のことしか言えないケースも見受けられます。成長意欲が感じられないと判断されてしまったり、すぐに辞めてしまうと思われたら採用には至りません。
例えば、企業が営業職の中途採用を行う目的として、手薄な管理職のポジションを求めている場合。「数年後には営業マネージャーとして若手を管理してほしい」と期待して採用を行っているのに、その気がない人を雇用するメリットが企業側にはありませんよね。
必ず面接前に、具体的な回答とその明確な理由を準備しておくことを強くオススメします。「企業とともに個人も成長していく姿勢」を感じさせることがポイントです。
入社後の配属や将来的な異動についても、面接時に希望を伝えておくことで考慮してもらえることも多々あります。
8.最後の質問タイムを無駄にしてしまう
「最後に質問はありますか?」と面接では聞かれることが多いですよね。この、せっかくの質問の機会を「特にないです」と無駄にしてしまう人が多く、驚きます。面接は求職者側にとっても情報収集をする場である、ということを念頭に置いてください。
売れる営業マンほど顧客のニーズや条件をしっかりヒアリングして情報を掴もうとしますよね。面接で自分という商品を売ることを考えるなら、面接官から採用の目的やニーズ、期待する成果等を詳しく引き出すべきです。
面接の場で突っ込んだ業務の質問をしないと、本当に業務内容を理解しているのか疑問に思われてしまうでしょう。
対策ですが、質問は事前に必ず準備して面接に臨むようにしてください。
また質問の内容に関しては、単純に疑問点を聞くのではなくて「確認質問」を行いたいところです。
例えば、「御社の注力事業について私は○○が狙いなのではと考えているのですが、実際どうなんでしょうか?」というように、自分の意見(仮説)を挟んだ上で質問を行うイメージです。
面接官に対する意欲のアピールになりますし、考える力を評価してもらえる可能性も高まります。
最後に
結論としては、面接において最も重要なのは「準備」であるといえます。
求職者は、「面接は自分を売り込む場」という意識を持ち、想定される質問についての回答を自身の言葉で伝えてほしいと思います。
末永雄大氏プロフィール
アクシス代表取締役兼キャリアコンサルタント。
青山学院大学を卒業後、新卒でリクルートキャリア(旧リクルートエージェント)に入社。リクルーティングアドバイザーとして事業部MVP/西日本エリアマーケット新規MVP等、数多くの実績を残す。その後サイバーエージェントに転職し、アカウントプランナーとして最大手クライアントを担当。2011年にヘッドハンター・キャリアコンサルタントとして独立し、2012年アクシスを設立(代表取締役に就任)。
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