匿名で公開した情報から、個人が特定される?!:個人情報そのやり方では守れません
インターネットは情報の収集や発信ができるメディアです。個人でブログを開設したり、FacebookやTwitterなどのSNSを利用している人も少なくないでしょう。ここでは、ブログやSNSを利用するときの個人情報漏洩のリスクについて紹介します。
集中連載「個人情報そのやり方では守れません」について
本連載は、武山知裕著、書籍『個人情報そのやり方では守れません』(青春出版社)から一部抜粋、編集しています。
「同じパスワードを使い回している」「英文の迷惑メールがやたら届くようになった」「マンション投資などの勧誘電話が頻繁にかかってくる」「このところ、パソコンの動作が遅くなった気がする」――。
1つでも思い当たる人は要注意! あなたや家族の重要な個人情報が漏れているかも?! 意外なところから個人情報が漏れる時代、個人でできる最新の安全対策法を教えます!
匿名で公開した情報から、個人が特定される
インターネットは、誰かが発信した情報を収集するといった受け身的な使い方だけでなく、自分から情報を発信できるメディアです。みなさんの中にも、個人でホームページやブログを開設したり、Facebookやmixi、Twitterなどのソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)を利用している人も多いかもしれません。
ここでは、ブログやSNSを利用するときの個人情報漏えいのリスクについて紹介しましょう。
まず、ブログです。ブログとは、ご存じのようにネット上に公開する「個人の日記」のようなものです。日常生活を記すだけではなく、自分の趣味について書いてみたり、意見を発信したり、さまざまな使い方がされています。一般の個人だけではなく、タレントや著名人もブログで情報を発信しています。
ブログは誰でも見ることができるため、有名人や芸能人、一部の利用者を除くと、多くの人は「匿名でブログを公開」し、個人が特定されないように気を使っているはずです。
というのも、ブログでは多くの人が個人の「本音」を書き記していることが多いからです。
「昨日は久々にキレかけた。あの取引先の担当者……」などと、プライベートな心情を書きつらねているのに、個人が特定されてしまったら大問題です。
しかし、気を付けてください。個人が特定されないようにと匿名にしているブログでも、そこに公開した情報から、あなた個人に関連する情報がじわじわと特定されてしまうこともあるのです。
無料ソフトでスマホ写真から自宅が分かってしまう
分かりやすいのは「写真」です。スマートフォンや携帯電話で撮影した写真から、撮影された場所がバレてしまうケースがあります。
スマートフォンで写真を撮影すると、その写真に撮影した場所(位置情報)が記録されてしまうことがあるのをご存じですか? その機能を「オン」にしておくと、写真には「どこで撮影されたものか」の情報が埋め込まれてしまうのです。
この位置情報は、スマートフォンや携帯電話に組み込まれている最新式のGPSの情報をもとにしていますから、きわめて正確です。
しかも、誰でも入手できる解析ソフトを使うことで「北緯35度41分56秒 東経139度43分2秒」というように、非常に正確な位置が明らかになってしまうのです。
あとは、この情報をもとにGoogleマップなどの地図サービスやソフトを使えば、いったいどの場所で撮影されたのかが明確になるのです。
※この記事は、2014年2月時点の各社サービス内容に基づいて執筆したものです
(つづく)
著者プロフィール:
武山 知裕(たけやま・ともひろ)
國學院大学文学部哲学科卒業。パソコン専門誌の編集、ニュースサイトのディレクターなどを務めた後、企業向けIT関連保険の啓発活動を展開。2004年に専門メディアを設立。現在、「Security NEXT」編集長兼、運営会社であるニュースガイア株式会社代表取締役。情報ネットワーク法学会、日本セキュリティ・マネジメント学会会員。
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