診断系アプリで、あなたと友人の個人情報が……:個人情報そのやり方では守れません
Facebookを利用していると、相性診断や○○検定などのアプリを目にすることがあります。いくつかの質問に答えて、診断結果を投稿して楽しむというものですが、こういったアプリの多くが、あなたやあなたの友人の個人情報を狙っているので、利用には注意が必要です。
集中連載「個人情報そのやり方では守れません」について
本連載は、武山知裕著、書籍『個人情報そのやり方では守れません』(青春出版社)から一部抜粋、編集しています。
「同じパスワードを使い回している」「英文の迷惑メールがやたら届くようになった」「マンション投資などの勧誘電話が頻繁にかかってくる」「このところ、パソコンの動作が遅くなった気がする」――。
1つでも思い当たる人は要注意! あなたや家族の重要な個人情報が漏れているかも?! 意外なところから個人情報が漏れる時代、個人でできる最新の安全対策法を教えます!
診断系アプリで、あなたと友人の個人情報が……
Facebookを利用していると、相性診断やキャラクター占い、●●検定といったアプリを目にすることがあります。これらは、いくつかの質問に答えて、その診断結果や占いの結果を投稿して楽しむというアプリです。
「キャラクター占いによれば、私の運勢は、あの大人気の『ゆるキャラ』だった」というような投稿を見たことはありませんか?
使ってみると楽しそうに思えるアプリではありますが、こういった診断系アプリの多くが、あなたやあなたの友人の住所や電話番号、メールアドレスなどの個人情報を狙っています。
診断系アプリの多くは、利用の際に、あなたの住所や出身校、趣味などの基本情報やプロフィールなどにもアクセスする許可を求めてきます。
診断結果を知りたいがためにうっかり許可してしまえば、そういった個人情報にアクセスされてしまい、ごっそりと抜き取られる可能性があるのです。
収集される情報は、自分の情報に限りません。あなたの友達にもアクセスして情報を取得してしまいます。
うっかり使うと友達にも被害が拡大!?
また、診断系アプリの多くは、Facebookのあなたの友人にも、あなたの意志とは無関係に、そのアプリを「おすすめのアプリ」として自動的に推奨する投稿を行います。
あなたが知らないうちに、あなたに代わって友達にその診断系アプリの利用をすすめて、そこで同じように個人情報を収集していくのです。
もちろん、すべての診断系アプリが悪質なものとは限りません。また、Facebookでは、個人情報を譲渡することや広告に利用することを禁止しています。
しかし、悪意をもって作られた不正なアプリであれば、こうしたガイドラインを守るとは考えにくいでしょう。もっともらしい利用規約やプライバシーポリシーを用意していることもありますが、当てになりません。
不正アプリの利用によって、個人情報を取得されてしまう仕組みを理解していない利用者もたくさんいます。その結果、「まあ、いいや」「●●さんのオススメなら大丈夫だろう……」と許諾してしまい、本人はもちろん、友達の個人情報までも収集され、拡散してしまうのです。
診断系アプリは、今や誰でも自分で簡単に作って、Facebook上で公開できるようになりました。質問と診断結果を入力するだけで、診断アプリのできあがりです。
アニメキャラクターなど勝手に著作物などを盗用し、あたかも公式サービスと見間違えるような悪質な診断アプリも出回っています。商品券プレゼントなどで利用を促すものもあります。
Facebookを利用していて、この手のアプリに出会ったら、よほど信頼できる企業でない限り利用することは控えたほうが無難です。
※この記事は、2014年2月時点の各社サービス内容に基づいて執筆したものです
(つづく)
著者プロフィール:
武山 知裕(たけやま・ともひろ)
國學院大学文学部哲学科卒業。パソコン専門誌の編集、ニュースサイトのディレクターなどを務めた後、企業向けIT関連保険の啓発活動を展開。2004年に専門メディアを設立。現在、「Security NEXT」編集長兼、運営会社であるニュースガイア株式会社代表取締役。情報ネットワーク法学会、日本セキュリティ・マネジメント学会会員。
関連記事
- あなたが毎日見ているWebサイトは大丈夫? 個人情報を狙う“Webベース攻撃”が増加
シマンテックは、最新のセキュリティ動向をまとめたリポートを公開し、Webベースの攻撃で不正に個人情報を入手する手口が増加していることを明らかにした。 - 1億総情報発信のSNS時代がもたらした「炎上の日常化」と付き合う方法
SNSが普及し、誰でも気軽に情報発信できるようになった半面、連日“炎上”が相次ぐようになった。そのうえ情報量が激増し、ネット社会はより複雑化してしまっている。そんななかで、我々はネットの情報とどう付き合っていけばよいのだろうか。ネット黎明期から約10年以上個人サイトを運営する“ネットのベテラン”たちに話を聞いた。 - 実名登録必須なFacebookを、できるだけ消極的に使う方法
高校の同窓生が集まるFacebookグループができたので、同級生をFacebookに誘うことになった。しかし「本名登録は怖い」という理由でためらう人が多いそう。そこで、他の人から見つかりづらく、消極的にFacebookを使う方法を考えてみた。 - 日本人の不安意識が高い“ネットでの個人情報公開”
SNSなどで個人情報を公開して交流している人は少なくないが、日本人の多くはネットでの個人情報公開に不安を感じているようだ。東京大学と東洋大学、NTTの調べ。 - Webを見ただけでアプリが落ちてきた!? 笑えないスマホ時代の「ルーマニアのウイルス」
スマホでWebサイトを見ただけで、勝手に広告からアプリがダウンロードされるという事案が発生しました。このアプリ自体はウイルスではないということですが、改めてセキュリティの設定を確認しましょう。 - 今さらだけど名刺は個人情報か?
有名企業400万社の担当者情報がダウンロードしまくり――。米国ではそういうサービスも始まっている。確かに営業には便利だが、どうにも納得できない筆者であった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.