日本の優れた絵文字をビジネスにも生かそう!:ナレッジワーキング!!
文字だけのコミュニケーションでは、細かいニュアンスが伝わらないことがあります。絵心の有無は関係ありません。子供の描いたような絵でも十分に役立ちます。
先日、携帯電話会社6社の絵文字がようやく共通化されるというニュースがありました。LINEのスタンプに席巻されるスマホコミュニケーション市場で、遅まきながらキャリアが団結したかたちです。今回は、「絵文字をビジネスに生かす」がテーマです。
世界に誇る絵文字文化、ビジネスで活用したい
日本のすぐれた文化の1つとして絵文字があります。スマホが登場するはるか昔から携帯メールで画像を送る習慣のあった私たちは、さまざまな絵文字を日常的に使ってきました。
スマイルアイコンに代表される人の表情を表すもの、モノやイベントなどを表すもの、さまざまです。最近はLINEのスタンプに押され気味ですが、少ないドットで多くの情報や微妙なニュアンスを伝えるメリットは非常に大きいと思います。
グラフィックが文字コミュニケーションの限界をカバーするというのは携帯メールに限りません。家電やオーディオ、PCなどの操作ボタンは世界的に共通化したグラフィックを使っていますし、電車や空港、トイレなどの公共施設でも言葉を必要としないサインが普及しています。
グラフィカルなサインは、言葉の壁はもちろん、口頭による齟齬(そご)も生まれづらく、なおかつリアルにイメージできるため、ビジネスにはどしどし活用したいものです。
絵の上手・下手は問題にならない
絵を描くのは苦手という人もいるかもしれませんが、絵の上手、下手は関係なく、頭の切れるビジネスパーソンでも絵が上手いことは滅多にありません。子供の描いたような絵で十分なのです。それでも言葉を尽くすよりは理解しやすいのです。
活用方法としては、既存の情報を絵文字で補足し、リアリティを与える場合が考えられます。下図のようにいつもの円グラフの各要素にちょっと絵文字を入れることで、文字だけの情報に比べて創造力が沸いてくるようになります。
また、概念的なものを理解してほしいときにも、絵文字を活用した図解は便利です。例えば、ネットワークシステムのような概念的なものを提案する場合、文章で説明するよりもはるかに理解が深まります。
会議のグラフィック、アイデアや商談のメモなどに絵文字をもっと生かしませんか? ビジネスコミュニケーションはどうしても口頭ベースになりがちです。ニュアンスや全体像が伝わらず、どうしても効率が悪くなってしまいます。絵文字は、こうしたダメ会議を活性化し、微妙なニュアンスを含む多くの情報を伝え、参加者の創造力に火をつけるのです。
著者紹介 永田豊志(ながた・とよし)
知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。
リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。
近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。
連絡先: nagata@showcase-tv.com
Webサイト: www.showcase-tv.com
Twitterアカウント:@nagatameister
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