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離職率25%超で困った! サイボウズを変えたワークスタイル変革:テレワークの今(3/3 ページ)
バリバリ働きたい人には裁量労働制、家庭を大事にしたい人には短縮勤務制、育児や介護をしながら働く人にはテレワークを。従業員はライフステージに合わせた働き方を選べるべきだ。
近い未来、「介護」もローテーションになる
サイボウズがテレワーク(在宅勤務)を導入したのは2010年。その目的は、個別の事情によりオフィスで勤務できない人への就業機会の提供、オフィス以外の場所で働くことによる個人の業務効率向上、出社はできるが在宅で働きたい人(DSを選択した人)のための支援だった。その半年後に発生した東日本大震災を経験したことで、いまでは「危機管理」も目的の1つに加わっている。
「これからは親の介護のために離職せざるを得ない社員が出てくる。そのためにもテレワークができる環境を準備している。例えば九州出身の社員が介護のために故郷に帰ると申し出てきたら、辞めのではなく、介護しながらも働ける『1人九州支店』を作ってほしい。育児休暇と同様に、介護も“ローテーション”になるだろう」(野水氏)
同社では、対象家族1人につき、最長6年間の介護休業が取得できる。その回数も無制限で、対象者の介護状態も問わないそうだ。
ところで、テレワークの導入はすんなり進んだのだろうか? 野水氏は「交代制で1人ずつ、部下だけでなく、上司も対象にして在宅勤務を試してみるべき。2周くらいすると、何が不便なのか、何が足りないのかが見えてくる。最初は『サボるんじゃないか』という不安もあったが、自分でやってみるとむしろサボれないことが分かる。部下が悪いわけではなく、自分のこれまでのマネジメントがいかにいい加減だったのかを痛感した」と笑った。
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