コンセプトは机の上で考えるな。日常に落ちている:「考える」力をつくる30のルール(2/2 ページ)
アイデアは誰にでも出せるが、うまい人と下手な人がいる。その違いは、人より“アイデアが出るコツ”を知っているかどうか。この“コツ”とはいったい、どんなものなのか?
会議室で考えてもひらめかない
もう1つ心にとめておきたいことは、よいアイデアは机の上では生まれにくいということだ。
「よーし、今から30分集中して考えるぞ」と白い紙を目の前にしても、よいアイデアはまず思い浮かばない。家に帰っておばあちゃんと話したり、テレビを見てタレントの笑い話を聞いたり、風呂に入ってぼーっと天井を眺めていたり――、そんな日常の中でふとひらめくものだ。
アイデアは、会議室で考えてもダメ。自分がごく普通に生活している状態の中でひらめきの瞬間を待つのだ。心理学的にも、ひらめきはリラックスしているときに出てきやすいといわれている。
ヒット作品のアイデアは、日常生活にヒントを得ているものが多い、という点も見逃せない。
おばあちゃんとの会話の中で生まれたアイデアは、気高い哲学ではなく、家事や料理、ファッションや友達との関係など、日常から切り離されていないものが多いだろう。そうした発想が盛り込まれたアイデアは、いわば「すぐに役立つ」「ニーズの高い」ものである可能性が高い。
多くのヒット商品は、誰もが共有できる日常的なセンスを持ち合わせているものだ。
著者プロフィール:
長野真一(ながの・しんいち)
1989年、NHK入局。初任は京都放送局。過去の主な担当番組「堂々日本史」「その時歴史が動いた」「英語でしゃべらナイト」「リトル・チャロシリーズ」「トラッドジャパン」など。
震災直後に、東日本大震災プロジェクトの専任となり、2年間被災地支援の番組やイベントなどを実施する。「東北発☆未来塾」や「復興支援ソング・花は咲く」のプロデュース、「きらり東北の秋」や「ただいま東北」のキャンペーンなどを担当。
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