なぜコロプラは新入社員に家具を作らせたのか?:いまどきオフィスの勘所(2/3 ページ)
コロプラがオフィスを拡張した。ともすれば、オフィス作りは“他人ごと”になりがちだ。オフィスに愛着を持ってもらうためには?
デザインが意識を変えるのか? 意識がデザインを変えるのか?
コロプラでは、新入社員を中心に35人のプログラマーやデザイナーが、家具の製作や会議室のインテリアアレンジに参加した。「デザインは、ハードウェアとしての家具やアート、そしてソフトウェアとしての運営の両面が必要だとよくいわれます。しかし、私はその2つの真ん中にあるものも重要だと考えています。オフィスデザインの立場は、ソフトとハードをつなぐ役割です」(三浦氏)
オフィスデザインを変えることで、働く社員の意識を変えることが可能なのだろうか。三浦氏はデザイン変革が先か、意識変革が先なのかは「鶏と卵」問題だとしながら、「変えるという意志決定ができれば変わっていきます。そこにデザインを付加できれば、より会社の考え方や風土にプラスになるはずです」という。
「『形だけ変えればいいんでしょ』と思っている企業も多い。単純に格好のよい椅子やテーブルを導入すれば問題が解決するわけではありません。それをどのように使うのか、会社の運営もセットで考えねばなりません」(三浦氏)
今回のコロプラオフィスの拡張も、社員の働き方ありきで作られている。例えば、コロプラはの従業員の多くはクリエイターで、ほとんどが座ったまま仕事をしている。そこで足を伸ばすための場所や、刺激を増やすことで疲労軽減できるような場所を増やした。
具体的には、デスクのサイズを大きくする、休憩所にボールプールを用意する、マッサージルームを増やす(コロプラが契約しているマッサージ師の施術を勤務時間中にいつでも受けられる)などだ。これらはコロプラ社員の意見を聞きながら設計してきた。
「コロプラはまじめに働く人が多く、しかも集中して仕事をするので疲れが溜まりやすいのではと考えました。それを解消する手段をデザイン面からもバックアップしています。一般的には、今回導入したようなリフレッシュ設備は非生産部門と見られます。しかし、そこにいるときにこそイノベーティブなアイデアが浮かんでくると考えれば、とても大事な場所なのです」(三浦氏)
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